喜連川風連

サイバーパンク エッジランナーズの喜連川風連のレビュー・感想・評価

4.7
Netflix×トリガーの作画!サイバーパンクでノワール映画!

表現の規制が全くなく、腸が飛び出し、乳首からアンダーヘアまで全て描かれる。まさにトリガーを外した本気のTRIGGER作品。

キルラキルからも感じたが、今石さんの裸への好奇心が凄い。だが、服を脱がせすぎて、1周回って全くエロくないのがいい。

ギャング達の日常として脱衣が取り込まれている。

設定はAKIRA×攻殻機動隊。主人公は直球な性格。

死ぬかもしれない装備を身につけ、日々を生きる主人公は、まさにエッジランナーズ(瀬戸際の走者)

主人公が飛び降りるシーンが序盤、しきりに出てくるが、その後の運命を暗示している。

主人公と対をなす、ヒロインはとびきりの可愛さ。

ヒロインの目元には歌舞伎の隈取り風に赤いメイクを施され、和風ビューティ。更に属性として低音ボイス、アンニュイ、ツンデレ、知的、純愛という要素が加わる。アニメのヒロインで1番好きかもしれない。

周辺を彩る仲間がTRIGGER作品ではお馴染みのキャラ造形。

ムキムキのリーダー、ひょろひょろのひょうきん者、口を隠した頭脳派、背の小さい口の悪い女の子。

主人公も、TRIGGER作品特有の真っ直ぐさを持っているが、それが破滅に向かうパターン。

映画・スカーフェイスのように、ボロボロになりながら、登り詰めた先に好きな女を守って死ぬ。

好きな女(母親)を守れなかった自分の悔いを晴らし、死ぬ。夢も目標もなかった男が女の子の夢を叶えるためだけにその命を全うする。

女の子の夢だった月を背景にキスするシーンの美しさよ。街の頂点に登り詰めても、決して月には届かない。

久しぶりにビターエンドの作品に出会えてよかった。2020年代にノアール映画が作られること自体が珍しい。

Netflixオリジナルの中で出色の出来栄えではないだろうか?

映画的な奇跡が起きない素晴らしい作品だった。
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