mizuki

サイバーパンク エッジランナーズのmizukiのレビュー・感想・評価

5.0
もう、画といい音楽といいストーリーといい…本当に良かった。

今石監督の『DEAD LEAVES』(初監督作品?)をみて、パステルでサイケを描いていて感動したのがきっかけで、この作品を知った。グロいシーンも、体がちぎれたりするのに何故か目が当てられないような気持ち悪さはない。嬉々として気持ち悪さを描いているようなグロシーンはよくあるが、そうではなく事実をただ描写する感じが好きだった。その辺はだいぶこの作品にも反映されていると感じた。

音楽は、シューティングゲームのcyberpunk 2077の方の曲なんですね。2年前からあったんだーー。ゲーム全然やらないけどやってみたくなった。それがこのアニメの製作意図だと思うけど、この宣伝の仕方大正解では…?こんなに画と音楽が最高なゲームがあるならやりたい。わたしも自分でサイバーパンクを育ててみたい…!PS4買わなきゃかな〜。PCでやるとしても、ゲーミングPCじゃなきゃできないのかな。詳しい友人に聞いてどうにか始めたい。

ストーリーは、ざっくり言ったら"希望を絶対に捨てない"が軸になっていると解釈した。マジで好みど真ん中だった。"月に行きたい", "特別になりたい"…そういう些細な夢一つで、生かされちゃうんだよね。どんなに辛いことがあっても、夢見るワクワクを感じるだけで全部チャラになる。「必死な感じがダサい」と言われても、それすらどうでもいいという…。頑張る=生きるになっている人間の背中を押してくれる作品だと思う。最悪、夢のためなら死んでもいいんですよね……。もちろん理解されたいとかは全くないけど。その辺を、鬱混じりで病的な展開にしなかったのがめちゃくちゃ偉い。

そして、一見バッドエンドに見えるラストだけど、私はあのキャラのあの性格だったら割とみんな悪くないエンドではないかと思う。ルーシーは永遠の愛をもらい、そして一番大事な人と過ごした記憶と共に月へ行った。デイビッドは、"一番大事な人を守った"という美しい記憶を最後に、伝説(特別)になった。レベッカは仲間を愛し、愛され通した。キーウィやメインはちょっと可哀想だったけど…覚悟していた最期ではあったと思う。

キャラとしては特に、レベッカが最高だった…。最高にいい女だな。初登場シーンはお色気担当だし可愛い女の子!って感じだったけど、回を重ねるごとに義理堅く、一番信用できる、さらには人の気持ちを察し、よく理解し、何でもないふりをして接せる、かなり大人な人間性だとわかる。鈍感だから落ち着いていられるわけではなく、他人の感情の機微を感じるほどの感受性は持っており揺さぶられるけど、それすら受け入れコントロールしている。デイビッドがサイバーパンクになりかけている時も、隣にいたら狂って殺されるかもしれないのに、そっと側にいる。少女であり、妖艶な女性であり、母性に溢れた女神でもある。惚れる。全てを持っているのに、多くをわかっているのに、持っていないフリ、わかっていないフリ、もはやフリとかどうでもいいくらい飄々としている。かっこいいよ…。単純に、真っ白な肌に濃い色のリップ(血色のないメイク)、ゴシックパンク調のファッション、タトゥー(に見えるインプラントのカスタマイズ)、ツインテールというビジュアルだけでも好きだったけど、刺激物みたいな見た目であの柔らかさ、美しさ、超パンクだと思う。
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