評判が良かったので、あまり見ないアニメシリーズを鑑賞。個人的にはまあまあ、というところ。この手のシリーズは駄目な人はさっさと切っており、最後まで観るのは好きな人だけで、結果的に平均スコアは高くなる。
原作ゲームの制限などの制約もあるだろうが、世界観は猛烈な既視感だらけで、サイバーパンク的なギミックは既に古典芸能みたいだった。金字塔のブレードランナー、シド・ミード、ディック、士郎正宗、大友克洋、押井守etc.
多分、「エモさ」がハマる人にはとことんハマるのだろう。SF的なギミックを外していけば、マイルドヤンキー系俺たち家族アニメである。つまり、ワイルド・スピードとかワンピースとかあの辺り。とはいえ、悲劇的なボーイミーツガールで一定の面白さはある（意外とレオス・カラックスの「汚れた血」（1986）を思い出した）。
さて、皆殺しの結末を迎えるが、因果応報でバランスが取れた退場だと思う。人殺しまくりの各メンバーは殺され、運転手は生還する。一方、愛のためとはいえ、裏切者＝ヒロインは生き残ることで、「死より辛い」業を背負うのである。
作画の評価が高いが、今ひとつに感じた。モブは動かないし、止め絵で紙芝居のような場面も多い、カーチェイスなんかで顕著な「歪み」「剛性」を感じないおもちゃみたいなメカ描写。あと、１話でデビッドの母親が死ぬくだりの演出が不明確で気になった。あの距離で側面からミニガンを斉射されると、交通事故以前にアウトなはず。直撃せずとも大惨事になるが、数秒間ギャグ漫画みたいにボーゼンとするカットがある。結局、交通事故になるので、意図不明である。
悪くはないが、取り立てて良くもないと感じた。しかも、何人かが指摘しているが、ルックが微妙にダサいのが残念。
