ゼロから科学技術を構築していく楽しさと、バトル漫画的なエンタメ要素を融合した面白さは今期も健在でした。ついに石化光線の謎に迫ろうとしている中で唐突に最終回となったのが若干残念ですが、気長に楽しみに次を待ちたいと思います。
相変わらず啓蒙主義的で進歩主義的な内容で、理系の自分としてはかなり共感する部分があります。でもそろそろ「人口」の問題から逃げていることが気になり始めました。科学技術の発展には人口の多さによる分業が必須ですが、それを漫画的な個人の超人的能力に依ることで回避しています。簡単に石化を解けないという設定によって、科学王国を千空のカリスマによってコントロールできる規模にとどめているのも、人口の多さによっておきるであろう社会問題を描くことを回避しているとも見ることができます。
でもやはり科学によって人々を幸福にしていくシーンは感動的です。個人的にはカメラを作るくだりが好きです。物質主義ではなく、心の底から欲しいもの、やりたいこと、を手にした人間の溢れる感情が表現されていてぐっときました。息子が世界を進歩させてくれると信じて次世代に繋ぐための行動に人生をささげる千空パパにも感動です。
