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江戸前エルフのkitoのレビュー・感想・評価

江戸前エルフ(2023年製作のアニメ)
4.0
ほのぼの日常系でとても良かった。

先日「フルーツバスケット」で知った「ロー・ファンタジー」という超自然的要素の少ない分類に当てはまる。東京月島にある架空の高耳神社が舞台。徳川家康が異世界から召喚したエルフ(ゲルマン神話 に起源を持つ、北ヨーロッパの民間伝承に登場する種族。日本語では 妖精と訳されることが多い)が御祭神という一点のみファンタジー要素。

主人公は不老不死で621歳の御祭神エルダと16歳の高校生で巫女の小糸。彼女たちを取り巻く月島界隈の氏子や街の人々と共に織りなす普通の日々が描かれる。

エルダはスマホもパソコンも使いこなし、通販中毒でガンプラもどきにハマっている。しかし、人見知りですっかり引きこもりにもなっており、それゆえなんだかんだ起こる小さなドタバタがほのぼのとして面白い。また、毎回のようにエルダが語る江戸時代など往時に経験してきた生活様式や風俗の雑学小ネタもへぇとなって良い。

舞台となる月島はまるでタイムスリップしたような街並みがいまだに残っており何度かカメラを持って散策した。かなり現実通りの作画になっていていっそう物語に入り込めた。月島・佃には有名なパワースポットとされる住吉神社があるものの、原作者は高耳神社にモデルはないとツイートしている。ただ、拝殿は少し離れた築地にある波除神社に似ているとされており、聖地巡礼サイトの写真を見比べると確かによく似ている。

オープニングではエルダと小糸が並んで立ち、小糸は幼い子供から次第に成長していくのだが、不老不死のエルダは全く外見が変わらない。劇中でも代々の巫女との思い出に目を細めるエルダの表情が哀愁を帯びる。仏教用語ではあるけれど、諸行無常といった感じがする。

今期はアニソンも良いものが目白押しで、本作もオープニング、エンディングともに気に入りダウンロード購入した。

本作はオンエア当初こそさほど話題になってはいなかったものの、回を追うにつれ人気が高まり、先日の最終回ではトレンドワード上位に入ったそうだ。ロス感が高まる気持ち、私もよくわかる。
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