都部

新妹魔王の契約者の都部のレビュー・感想・評価

新妹魔王の契約者(2015年製作のアニメ)
3.4
本作の鑑賞理由は例によって例の如く『ヒロインが好みの大きさの乳房をしていたから』という理由に大きく依存しているのですが、最近同様の動機で鑑賞したアニメーションの中では、開示される設定を駆使した展開やライトノベル的な筋書きから来る アニメとしての盛り上がりをしっかり全12話の中に落とし込んでいる方の作品で概ね満足でした。

本作の妙となる主人公がヒロインと結ぶことになる主従契約────主に対する背反行為が齎す性的な快楽という設定は、作品に挿入される胸部を始めとするヒロインズの肢体に対する愛撫シークエンスの体の良い動機付けとなっており、不可抗力的なエロチシズムに頼らない 触る必要性があるから触り触られる構図のそれとして最高でしたね。いいね。

メインヒロインである成瀬 澪が如何にシコリティの高いヒロインであるかを訥々と語るのも吝かではないのですが、作品評の話としては脇道に絞るので割愛。ライトノベルのヒロインの位置づけとして収まりがちな友人以上恋人未満の、メインなら成就が見え透いた恋愛における遅延行為を繰り返すウザプレイに陥らない為の設定として義妹という位置付けは美味しく、お互いを異性として意識する立場にありながら兄と妹といういじらしい関係性を構築しているのが上手い。好きな女の子に『お兄ちゃん』って言われたいよなぁ!? 分かるよ! 私もお兄様と呼ばせて十二人くらい好みの面と乳した義妹を侍らせたいですからね。

また2010年代のライトノベルの定石に沿ったヒロインの性格の割り振り方が見られますが、成瀬澪の従者である成瀬万理亜を挟むことで四角四面的な形にならないようにキャラクターと掛け合いを回しているのも流石は売れたライトノベルだけあって地力を感じる配置。

そんな感じで、全体的にバトル、エロ、感動とライトノベルとしてバランスの良い配分で構成された作品なので、素面で目にしても一定以上の完成度はあるというのが総評です。
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