メモ魔

僕の心のヤバイやつ 第1期のメモ魔のレビュー・感想・評価

僕の心のヤバイやつ 第1期(2023年製作のアニメ)
3.9
YouTubeで1話が無料公開されてたので試しに見てみた。

コミュニケーションに難ありな子にありがちな
【自分は特別と思い込み排他的になる】
って部分が強く強調されてた。

序盤はこれを強く植え付けるための時間って感じ。
それでもだんだんとヒロインの魅力に惹かれていき素直な芽を出し始める。

ここまではまあ普通のアニメかな〜くらいに思ってたんだけど、
最後、山田さんが男に口説かれてるのを主人公が助けるシーンは良かった。

放っておくべきだ。自分には関係ない。。
それでも、嫌がってるあの子を放っておけない。なら自分は、
【頭がおかしいやつになろう】

そんな主人公の自己犠牲な感情をここから読み取った。こういう根暗な主人公っていざって時に動けるのがほんとかっこいいよな。
自分が根暗で普段からクラスメイトに嫌悪感を抱いている子からしたら、自分から行動に移すことがどれだけ難しく、またどれだけ輝いているのか心を弾ませるに違いない。当時根暗なまま成人してしまい時間が止まったままの自分が言うんだから間違いない。

1話ではあまり描かれなかったけど、
山田さんの性格がネジ外れすぎなところと、
主人公の冷静すぎるツッコミが病みつきになりそう笑

今後山田さんが主人公にきゅんとするタイミングが楽しみで仕方ない。

暫定
3.8点

今まで感情を押し殺してた主人公が
山田さんのために、溢れる感情を行動に移すシーンがめっちゃ好き。
今後が楽しみ。
一旦評価はここまでにしておく。

2023.0620
全話視聴終了

最後のシーンが1番ぐっと作品に感情を引き寄せられた。
市川の根底には[人と馴染みたくても馴染めない自分]がいたんだな。
そんな自分に納得ができなくて、尖ったり拒絶することで[特別]を演出することで自分を保ってたんだ。

そんな[特別であり続けなければならない]市川をありのままで肯定してくれる山田に、市川は恋心の前にこの感情を抱いてたんだな
[ありがとう]

最後になるにつれて結構甘々な展開が多めになって来て、、言っちゃえば性欲のインフレというか。そんな一抹の残念感を抱いていた(宇崎ちゃんみたいな)んだけど、最後の市川のセリフでそれが全部吹っ飛んだ気がする。良かった。
市川は山田を好きであるよりももっと根底の心情で感謝を思ってたんだな。
今までのねっとりした甘ーい恋愛展開が一気に深みを増した良いシーンだった。最後の校舎裏シーン最高。

総評
まず主題歌が良すぎるから。斜陽の1分半で頭が僕ヤバに切り替わるのが分かる。歌詞も好き。
[僕は僕を少しは愛せたのに。]
ってフレーズがグッとくる。ありのままの自分をやっと愛してあげられるようになってきたのに、その温かい感情がちょっとした不安でぼろぼろ崩れていくって情景が頭にふわっと浮かんでくる。山田に裏切られたと勘違いした時の市川と重ね合わせて聞くとなお良い。

ただやはり、かぐや様は越えられなかったかと言った所。もちろんベクトルが微妙に違うから同じ軸では判断できないので人によると思うが。
石上の話やリコの学園祭実行委員の話みたいな[緩急を付けて色を最大限魅せる]ような作品ではない。恐らくキャラごとの過去や境遇がまだ見えてないから感情移入しずらいってのがマイナスポイントになってる。

・山田が市川にここまで拘る理由が山田の育った環境によるものであるとか
・市川がここまで尖りを演出するようになってしまった原因とか
・お姉ちゃんが京ちゃんに対してここまで過保護になってしまった並々ならぬ経緯とか

ここら辺を深掘りすればより感情移入して作品への没入感が増す気がするんだけどどうでしょうか。
個人的には山田と小学校の同級生が卒業までに人間関係でトラブル起こした線がまあ王道かなって思ってたんだけど、小学校卒業の時山田と友達2人めちゃくちゃ仲良さそうだったしな。それはないんだよな。

自分の感情に蓋をし続けて来た、尖りで周りとの差別化を図って特別を演出してきた、そんな周りと自分との境界面の置き方を、人生通して悩み抜いている人にはおすすめしたい作品。

んー、色々書いたけどやはり表面的にドキっとさせられるような、意味的に浅いシーンが多かった分、個人的にはマイナス。めちゃくちゃドキドキするし良いんだけど、自分はアニメ作品から学びを得たいタイプなのでドキドキするだけってのはんー、、って感じ。最後の市川の[ありがとう]を加味して
3.9点、、
といったところか。

2期が楽しみなのは変わりない
メモ魔

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