彦次郎

転生王女と天才令嬢の魔法革命の彦次郎のレビュー・感想・評価

3.3
婚約破棄されたユフィリア(ユフィ)を魔法科学を生み出した破天荒なアニスフィア王女(アニス)が自身の離宮に連れ出すことで愛情が育まれる”王宮百合ファンタジー”(wikipediaより)。
腕っぷしが強く魔法が使えないのに魔法科学に対する情熱が尋常ではないアニスは明るいながらも思いやりのある人物という主人公の王道みたいなキャラクターで対するユフィの方はアルガルド王子からの理不尽な婚約破棄、更には愛するアニスのために重大な決断を下すヒロイン役となっています。
アニスが転生者(前世の知識とか)なので発想がファンタジー世界では柔軟なものになっていてオヤジである国王も納得させてしまうのが面白かったです。前半の姉への歪んだ思いを抱くアルガルドとの決戦が死闘ともいうべき姉弟喧嘩で本作のクライマックスに相当すると思われます。裏を返すとそれ以降は話に精彩を欠いた印象。ファンの方には申し訳ありませんが、アニスが思い悩むことでテンポが悪くなり話としても後半は個人的には楽しめませんでした。
ヴァンパイアは魔石を取り込んでいる者とかの設定やモーリッツなどの悪党がキチンと用意されているのは良かったのでそちらを掘り下げたらもっと面白くなったのではと門外漢としては愚想した次第。
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