主人公のぐずぐずぶりに我慢できないと面白くなり始める前に放棄するだろうなとは思う。幸い流し見だったので主人公がなんとなく女々しくて鬱陶しいなとは思いつつスルーできていたので、感情移入し始められる辺りまで見ていられたからか全編鑑賞し終わってみて意外と悪くなかったという感想。
まあ、悪くなかったのはそもそも100点満点でなく80点満点なものと思い込んでいたからなわけだが。
この作品に始まった事ではないが未成年が主人公な物語で多いのが保護者の存在感の希薄さ。現代劇を進める上でこの違和感を拭えないと途端に嘘くさくなるがこれはこの作品も例外ではなかった。
また、作画の粗さも所々目立った。肝心なパートで崩れているとやはり感動が半減してしまうのはもったいなかった。
しかし、ただの童貞恋愛ものと違って昨今横行しているヒロインの処女性信仰と真っ向から戦っていたところは非常に好感が持てた。ビッチ風ギャルが実は彼氏いたことありませんでしただとか童貞妄想も甚だしくてきもすぎる。
むしろ中盤で短いながらもそのモチーフに触れるエピソードでは、ヒロインが自身の行いに後悔して涙を流してむしろ主人公の方がけろっとしているようにすら見える。また、ここではその後悔が正しいものとして描かれては決していなくてヒロインの考え方のフェーズが一段階シフトしたとも捉えられて少し目頭が熱くなりさえしてしまった。
鑑賞が進むと作画や現実味の無さによるノイズが増えはしたものの、それと反比例して二人を応援している自分に気付いて最後まで一気に見てしまった。
結果80点満点中88点くらいの感じ。
良いもの見られたなと思うと同時にこういうものでまだ感動できる自分に安心した。
