ぴっつぁくん

ドロヘドロのぴっつぁくんのレビュー・感想・評価

ドロヘドロ(2020年製作のアニメ)
3.7

【おいでませ、混沌】

本作を一言で表すなら
「パンクでダークでカオス」。

スチームパンク調の退廃的で殺伐とした薄暗いニッチな世界観にブラックジョークが炸裂している不思議な作品だった。

しょっぱなからグロめのシーンが出てくる。

⚠️グロ多め注意⚠️



主人公の記憶探しがメインとなるのだが、なんとなくヒントをちりばめられるも先の読めない展開がおもしろいダークファンタジー。


登場キャラはほとんどが個性的なマスクを被っており、「スリップノット」のようなホラーテイストのあるマスクも多く登場する。


OP、ED、劇中歌を担当している(K)Now_NAMEの楽曲、展開しているグッズがめちゃくちゃ良い。


恵比寿がお気に入り。


《あらすじ&ネタバレなし感想》

この作品には「ホール」という退廃したスチームパンク調の世界と「魔法使いの世界」という2つの世界が存在する模様。
“ドア”を通じて行き来が可能。

「魔法使いの世界」の魔法使いたちは「ホール」の住民を魔法の実験台としか考えておらず「ホール」に来てはホールの住民を襲っている。
魔法は対象を虫に変えたり、キノコに変えたり、治癒したり使用者によって様々。

ホールは魔法を使う際に出る黒いケムリのせいで空気が汚染されており、雨にも混じるため黒い雨が降る。
「魔法使いの世界」の方も「ホール」ほどではないだろうが治安は悪いらしい。


そんな「ホール」で魔法使いに頭部をトカゲに変えられ、さらに記憶喪失になっているカイマンが記憶と元の頭部を手に入れるため犯人を探すお話。

カイマンの喉奥にはもうひとり謎の男が住んでおり、カイマンがかぶりついた相手の目の前に現れ「お前は…違う」と謎の審査をする。

カイマンはその男がヒントを持っていると考えており友人のニカイドウと共にホールに来る魔法使いを捕えて片っ端からかぶりつく日々を送っている…



魔法使い側がおそらくヴィラン的立ち位置なのだが、魔法使い側は「藤田」など漢字の日本人名なのに対しホールの住民はニカイドウやバウクスなどカタカナで表記されるのが奇妙なところ。

1話の中で3つほどタイトルが登場し、オムニバスのような形式を取っている。


中盤以降、カイマンの話よりも魔法使いの煙、心などの魔法使い側のパーティの話が展開されることが多かった印象。


正直、魔法使い側の方が話が盛り上がるし色んなキャラとの絡みが多くギャグシーンも多いため面白い。


料理のシーンだけ力の入り方が異常で餃子などが美味しそうに描かれていた。


《出演者関係ネタ、作品情報》

あまり聞いたことがないがいい声の人が多かった印象。

カイマン役は大御所の高木渉、
煙役の堀内賢雄、心役の細谷佳正、能井役の小林ゆう、恵比寿役の富田美憂、最近色んなアニメで出会う鳥太役の勝杏里など

実力派の声優が揃っていたように感じられた。

EDでローグライク風のゲーム映像のようなものを作っていたりと、とにかく制作費がすごそうな作品だった。
MAPPA恐るべし。
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