ふみ

葬送のフリーレンのふみのレビュー・感想・評価

葬送のフリーレン(2023年製作のアニメ)
4.3
めちゃくちゃ刺さる。作品自体の人生や時間、死に対するメッセージが、ただ尊くて、1〜3話や回想は涙が止まらない。
人生の中でたった数%に満たない時間、
その時には永遠に続くと思っていた仲間とのなにげない時間。
パーティーに入って冒険に出て、また別れて次の冒険に出て…というのは本当に人生そのもので。例えば、たくさんの人と過ごした学生生活、離れ離れになった仕事仲間、亡くなった人との思い出、昔住んでいた街とそこで顔見知りだった店員さん、傾向は違えど推しのアイドルがグループに所属してくれた時間...
決して戻れない時間、必ずある伝えられなかったことできなかったことへの後悔、顔もぼんやりとしてきた人からもらった言葉や価値観。仮にそれを全て忘れてしまっても。
その時間と記憶が、そこにいた全ての人の糧となり、生きる指針となり、生涯忘れられない輝きになる。

いつか私が、環境を変えても、誰かと離れ離れになっても、もらったものは絶対に消えないし、与えたものも消えないはず。
今まで出会ってきた全ての人たちが愛しく思えるし、今過ごせる時間や今の場所を大切にしようと思わせたくれた。

------追記
このアニメに出会ってから、少しだけ自分が表向きに変われた気がする。
どうしても心を開いている友人以外の他人に興味が持てないし、自分の領域に侵攻されることが不快だし、傷つくことが怖くて、決まった人以外と会うこと、大人数の場が苦手で。だけどフリーレンの「人の一生は短いのに、どうして知ろうと思わなかったんだろう」って言葉がずっと忘れられなくて。これまで何度か同じように思ったことがある、し知ろうとしなかった後悔は今も消えない。その後悔を消すことは今後もできないけれど、いつか今いる場所を離れる時に後悔はしたくない。
だから、ちゃんと色んな人を知りたいな、とたまに思えている。

あとあらためてこの作品の面白いのは
ヒンメルとのエピソードや色々なキャラクターの魅力を知れば知るほど、
より1話が尊くなり、1話のセリフの重みが増すんだよね
今何を知っても何を感じても、ヒンメルには会えないし、過去のあの頃には戻れないっていうのが、ご都合主義ではない現実に近い物を感じてぐっとくる。変えられるのは今いる場所とこれからだけ、過去の後悔や聞けなかったこと言えなかったことは、ずっと抱えながら生きていく。
ふみ

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