寺田邪心

葬送のフリーレンの寺田邪心のレビュー・感想・評価

葬送のフリーレン(2023年製作のアニメ)
4.1
「涙の別れなんて僕達には似合わない。だってまた会ったときに恥ずかしいからね」
最終話で1話に繋がるこのセリフ、エモい。フリーレンはヒンメルにらしくない別れをしちゃったんやなぁ。ハイターとアイゼンが涙を見せなかった事にも納得。

全体的に静かで、たまにドンパチしながら、過去に想いを馳せつつ今も旅を続ける。穏やかでゆったりとした温度感や雰囲気は、蟲師やキノの旅に近い。戦闘の見せ場もド派手でいいけど、やっぱ日常の些細なモーションにかける作画量はすごいコダワリを感じた。

静かな一話だけでなく、数話かけてドンパチする見せ場もあり、この緩急がすごく魅力的。
断頭台アウラのくだりは胸熱すぎるし、一級魔法使いの試験編はハンター試験ぽくてテンション上がったな。

原作の魅力を最大限詰め込み、圧倒的なアニメのクオリティを見せて、かつ最後まで全力で駆け抜けてくれた。
勇者一行の十年間の旅はフリーレンにとって100分の1にも満たない。私たち視聴者にとって半年間に渡るフリーレンのアニメも100分の1にも満たない。しかしフリーレン同様、私たちの心にしっかりと爪痕を残した。
寺田邪心

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