ウシュアイア

AIの遺電子のウシュアイアのレビュー・感想・評価

AIの遺電子(2023年製作のアニメ)
3.6
原作未読。

ヒューマノイドと人類が共存する未来を舞台にしたハードSF作品。

主人公須堂ヒカルはヒューマノイドの病気や怪我(故障や損傷)を治療(修理)する医者で、ヒューマノイドである育ての母親の電脳をコピーを探している。本シリーズでは、須堂のもとにやってくるヒューマノイドと人間の人間模様が半話から1話のオムニバスで描かれる。

取り上げられるのは、AIやヒューマノイドとの向き合い方が描かれており、人間とAIの恋愛、ディープフェイク、教育へのAIの利用など、現在の技術の延長線上にある問題が取り上げられている一方で、人工物であるヒューマノイドの電脳データの複製や改造(調整)を通じて人間の心の本質は何かといったテーマにまで迫っている。

多くのレビュアーの方が指摘するように何かが足りない。
本作がつまらないといったレビュアーを知性が足りないといってバカにするような論調もあるが、それも違う。

一つは描かれている未来がヒューマノイドが発達した割に、その他の技術的なものは現在とほとんど変わっていない。特に『PSYCHO-PASS』シリーズなどを観た後だと、進化した未来のテクノロジーの想像が貧弱に思えてしまう。

あとは好みの問題かもしれないが、キャラクターデザインが少し古臭く、またキャラクターも特に主人公は人間なのに人間味が薄い。苦悩や葛藤をゲストにだけ押し付けてしまうと、話全体として主人公に感情移入しにくい。
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