たも

「終物語」まよいヘル/ひたぎランデブー/おうぎダークのたものネタバレレビュー・内容・結末

4.5

このレビューはネタバレを含みます

 真宵ヘル、ひたぎランデブー、扇ダークの3部作。観終わってみれば終物語の完結編って感じだった。

 噛みまみなみさみなみわみあみやみたみはみらみ神ました。まさか憑物語でかませ犬みたいに散った折り紙さんも人形に憑いてる存在だったとは、憑物語は大して話が動かなかったと思いきや、それどころか今までの物語は終物語の最後の最後にまで繋がる大きな話と連動していて感動した。傷物語でも強く思ったけど後半になればなるほど物語前半の話がおもろくなる。
 臥煙さんは初代怪異殺しの亡骸からレプリカとはいえ妖刀2本を鍛え上げてしまうってチーターみたいなことをやって退けてるけどどんなカラクリでそんな常軌を逸したことをしてるんだろう。下手したら完全体の忍に対抗できるんじゃないかってくらい謎と力を秘めているように見える。そう見えてるだけなのかもだけど。

 締めを飾るのに相応しい戦場ヶ原ひたぎと阿良々木暦の関係性。下の名前で呼び合いたいっていう学園恋愛ものでは王道オブザ王道で誰もが胸をときめかせてしまうであろう演出も蕩れだった。

 忍野扇の正体は暦の正しくあろうとする自虐心から生まれる怪異だった。暦があれほど扇になんでもペラペラ話してしまうのは扇が予めことの全容を把握してると直感的にわかっていたからなのかもしれないなあ。
 扇は最後まで好きになれなかったけどメインヒロインの中では忍、ブラック羽川、余接に次いで4人目の怪異のヒロインという事か。アニメは次の続終物語で一旦終わりみたいだれど、今後も扇が活躍できる機会は巡ってくるのだろうか。

 そもそもなんで忍野メメは忍野扇を甥っ子として認めてその存在を肯定するようなことをしてくれたんだろう。臥煙さんは退治するのが良いと言ってたけど、メメは傷物語では怪異を退治するのは好きじゃないとは言っていた。羽川さんから依頼されたからわざわざ戻ってきてくれた、そこまで理解できたとして扇を消滅させないことについてどんなバランスが取れていたんだろう。「自分と向き合うことに決めたんだね阿良々木くん尊敬するよ」この言葉の真意はなんだろう。正直今回の話だけでは謎が多すぎた。
 羽川さんが「私の勝ち」って登場してその場に倒れ込むのも、北極から戦闘機で駆けつけてくれた意味もよくわからなかったけど何はともあれ化物語の終りから最後の最後に登場した忍野メメって存在に心が躍った。

 この文章を書いてるうちに思い至ったけど、羽川さんが忍野メメを探し始めるきっかけになった終物語の前半あたりであの時すでに羽川さんは扇の怪異性や正体に気づいていたのかもしれない。「こいつは阿良々木くん本人だ」って、そうじゃなければ忍野メメに頼るなんて選択が取れるわけがない。どうせ阿良々木くんのことだから目の前の女の子が困っていたら助けずにはいられないし、危ない橋を駆け抜けるに違いないと。羽川さんの阿良々木くんへの理解度と展開を読む力に救われた形だったのかも。
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