鈴木パンナコッタ

魔境伝説アクロバンチの鈴木パンナコッタのレビュー・感想・評価

魔境伝説アクロバンチ(1982年製作のアニメ)
3.6
J9シリーズに通じる粋な会話や、ケレン味あふれるアクションなど、実にカッコいい。
ただ、肝心の古代遺跡のロマンとロボットバトルが……合っている?のだろうか……。まあ、独特の雰囲気というヤツですな。デザインもそう。独自路線を突っ走る感じよね。

ただ、メカを居住スペースにして世界中を回ったり、敵の縦割り組織の雰囲気だったり、なんとなくガンダムを影響があるような気が。直接リアルロボット路線に行くのではなく、換骨奪胎した上にインディージョーンズ的な宝探しを加えた結果、他には無いユニークなアニメになったように思う。

ゴブリン一族の構成はわりと面白かったな。
デーロス王を頂点に、各氏族の長から選出された四天王が指揮を取る。貴族と平民の階級があり、四天王の間でもいろいろある。このへんもなんとなくガンダムの影響を感じたけど、そんなに掘り下げは無かった。残念。

あとメカも良かったな。アクの強いアクロバンチも良いけど、ゴブリンメカがどれもユニーク。三本脚や下半身がメカだったり、顔がメカ的だったり鳥のようだったり、みんな非人間型だけどバリエーションが豊富。なぜかディラノスだけプラモが出まくっているけど、そんなに活躍したっけ……?
四天王メカで一番イイのはアンドロデムスだよね。立派な武器をぶらさげているので、思わずウットリ。

アクションはそこまで面白くなかったけど、ロボ状態が基本で、戦況に応じて分離して撹乱→再合体して逆転の流れがパターンなのはあまり他で見ないような。分離・合体に意味を持たせようとする工夫は面白かった。
Wikipediaによると合体バンクがモノクロ線画なのは映像が間に合わなかったかららしいけど、80年代にはワイヤーフレーム=未来的な時代があったわけで、時期的にアクロバンチは先駆けだったのだろうか?背景ではなくロボがフレームは珍しい気が。
パーツ接続時に一瞬だけ色が付くのは、のちのダイナゼノンみたいで面白かった。