xyuchanx

PLUTOのxyuchanxのレビュー・感想・評価

PLUTO(2023年製作のアニメ)
4.3
浦沢直樹さんの「マスター・キートン」は僕にとって永遠に愛する漫画だ。

そして本作の原作は64年前…手塚治虫さんの先見性や価値観はやはり普遍的だった。

約10年前、手塚治虫から浦沢直樹に託された「PLUTO」の物語の再生。それがNetflixのアニメドラマとして完璧に蘇った…というか原作越えたんじゃなかろうか。

日本映画の脚本や演出はどうしてもセリフに頼ってしまいがちだと思うけど、浦沢直樹の作品の登場人物は、ちょっとした表情だけで喜怒哀楽入り混じったすべての感情を表現できてしまう。そして本作ではそれが全て完璧にアニメーション化されていたと感じる。

「憎しみからは何も生まれないよ」

ゲジヒト、アトム、ウラン、モンブラン、ノース2号、ブランド、ヘラクレス、エプシロン、ヘレナ、サハド/プルートゥ、天馬博士、お茶の水博士・・・すべてのキャラクターが持つ背景がいちいち悲しくて、アニメで3度も泣かされたのは初めてじゃないだろうか。

人類は地球環境をさんざん悪化させたうえ、また戦争の時代に突入してしまった・・・地球にとって最も邪魔な存在は人類だろう。もしこの先、人類を越えた存在が産まれた時に、彼らがどういう決断を下すかのか・・・。

「憎しみは消えますか?」
xyuchanx

xyuchanx