SANUKIAQUA

PLUTOのSANUKIAQUAのレビュー・感想・評価

PLUTO(2023年製作のアニメ)
4.8
浦沢直樹さんのシリアス系漫画のアニメ化。
謎という布石を散り散りに置いて
やがてそれが線になり真実が浮かびあがる。
でも謎を散りばめすぎて追いかけてる内に
わけがわからなくなり疲れて追うのを諦める
そんな付き合いに彼の漫画とは最近なってる。

プルートゥもそんな作品で漫画の後ろの方は
覚えていなかった。
ネトフリアニメに懐疑的な面もあり
あまり期待せずに見始めたけれど
アニメそのものもよく動くし
話のつながりもわかりやすかった。
漫画家のタッチがそのままに
動くようなアップのシーンは
漫画原作の到達点とも感じた。
車の自動運転や電話など
未来を見る感じは面白い。

内容は9.11に絡むようなもので
今現在起こっている紛争にも
通じるものがあるだろうと感じる。
憎しみからは何も生まれない。
まさにその通りだと思うけれど
その言葉がロボットである
ゲジヒトから出てくるのが
辛いとも思いました。
このままロボットが進化すれば
必ずこの作品のような問題、葛藤が
生まれるだろう。
その時人間はどうなっていて
どう対処するだろう。
作品を見ていると人間よりも
ロボットの方がより人間らしい
と思うところさえあった。

アトムの漫画から受けていた印象よりも
お茶の水博士が偽善者に見えて
そこは科学者の業であり
それさえも人間なんだなと思いました。
だから人間はあんなひどい兵器をつくり
戦争をやめられない。

ラストで人間はひとまず助かるけれど
あの優れたロボットたちは
帰ってこない。
ゲジヒトの妻は、
エプシロンやブランドの子どもたちは
何を思うだろうか。
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