あべ

PLUTOのあべのネタバレレビュー・内容・結末

PLUTO(2023年製作のアニメ)
3.2

このレビューはネタバレを含みます

うーん、最終話やばすぎる、、
なんかいい感じに落ち着いたっぽいけど何も腑に落ちてない。

キャッチコピーでもある「この憎しみを止めてくれ」に対して、止まってたか?という。
アトムが憎しみから解放されたのも、ゲジヒトの記憶を見てということだが、ゲジヒトが最後に抱いていたのは結局憎しみなの?そうでないの?ゲジヒトの憎しみで目覚めたはずなのに、同じゲジヒトの記憶で自我を取り戻すのわけわからん。
なんならヘラクレスとか憎しみながら戦って死んだし、肝心のアブラー博士の憎しみって、物理的には止まったけど対症療法でしかないし根源的、テーマ的な解決にはなってない。
テーマに対する明確なアンサーが得られたか?

「憎しみからは何も生まれない」と言われても、なんでこういう結論に至ったのかまるっきり分からない。
憎しみからは何も生まれないのはこちらとしてはもうとっくに知ってるからこそ、キャラたちがどういう経緯でこのメッセージを伝えてくるのか楽しみだったのに、結局ただ最後口で言われるだけだった。

そして憎しみの定義が緩すぎる。
何に対する憎しみなのかがとっ散らかってた。結局は大事なものを奪われたことへの憎しみってこと?
憎しみって何か憎む対象がいるから成立する感情であって、アドラー博士は戦争を引き起こした世界や人間だけど、かたやゲジヒトは一個人だし、果てにはアトムなんかゲジヒトの憎しみをインプットしただけでアトム自身は何の憎しみも持ってないし。
このへんのガバさも憎しみをどう止めるか、のアンサーがぼやけてる要因だと思う。

全体的にテーマや感情が先立って都合よく話が進んでた印象。
事件を追うヒキも弱かったし、謎が分かった時のカタルシスもなかった。

あと全体的にセリフがダサい。
説明とか、ただのおうむ返しのセリフも多い。テーマは壮大なのに、セリフとかキャラはどこか子供向けっぽさを感じる。

要素として面白いところはあったけど、こういう世界観好きなだけに残念な気持ちが強い。
あべ

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