りょ

PLUTOのりょのレビュー・感想・評価

PLUTO(2023年製作のアニメ)
4.5
原作コミックは読んだけどかなり昔の事なので記憶は曖昧なまま鑑賞。

このタイミングでの映像化には少々驚いた。
イスラエルとパレスチナ(ハマス)の戦争が起こるさなか、またAIの進歩が著しく普通の生活にも関係するようになってきたこのタイミングは絶妙。
原作を読んだ時には序盤から終盤にかけてはめちゃくちゃ面白く、ラストでちょっと「あれっ」ってなんか盛り下がった記憶なんだけど、このアニメ版は最後まで良かった。

初めてコミックを読んだ時にはアトムやウラン達、おなじみのキャラクターのデザインに驚いたものだけど、アニメではすんなり入ってきた。
旧式と最新型のロボットの差も凄いんだけど手塚作品の雰囲気を残すには必要だし、そこまでの違和感はない。

人間以上に優しく、時に感情豊かで重い言葉を発するロボット。
人として普通に生活していると「生」について、また自分が何者なのかを考える事は殆ど無いと思うけれど、劇中に出てくるロボットたちは明確な答えは無いであろうその問いと向き合っている。
そうプログラミングされたのだと言われたらそれまでだけど。
逆に人間は差別、嫌悪、欲望と悪い面が多めに描かれている分、ロボットとのコントラストでいかにも不完全な生物として描かれる。

この作品のテーマである「憎悪」。今だからこそ観るべき作品。
りょ

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