全8話もあるので見応えは十分だったが
私の心が汚れているせいでキッズのように
目を輝かせて見ることができなかった。
ちょっと残念(笑)
いろんな作品へのオマージュもあって
変なところでニヤニヤしてみてました。
囚人ロボに皆がお伺いたてにいく所なんか
まるっきり「羊たちの沈黙」のレクター教授
とクラリスのやり取りですな。
ボトムズのトルーパーみたいな頭部デザイン
とか子供ロボが某映画製作会社のマスコット
に似ていたり。
物語のプロットはイラク戦争時のアメリカと
イラクの対立をベースに「反米主義」的な
ポリコレ臭を感じちょっと鼻につく。
民間人虐殺の悲惨さは結構なんだけど戦地では
両方死者が出るんですよ、どちらか一方だけ
死ぬなんてことはない。
そこを描かないからポリコレ臭がするんだよなぁ。
「打倒!帝国主義!」みたいな。
「憎しみは悪」連鎖を断たねばというのが
テーマみたいだけど嫉妬や恨みつらみといった
「負の感情」も人間の情動には必要で何かを
成し遂げる起爆剤にもなりえるのだ。
毒も量を絞れば薬になる例えがあるが負の感情も
そうした物で人間の心には必要なファクターだ。
独裁主義や帝国主義も自国の幸せ(だけ)を
追求した結果なのであって見方によっては
「+の感情」の純粋化ともとれる。
いっぽう「他者を省みない」行為は独善的で
共存共栄には向かない。
人間の幸福追求は80億の人間のエゴのせめぎ
あいなのだ。結果現実社会はいまだに戦争を
継続している。
幸福追求というエゴと同時に倫理的正しさを
併せ持つ存在に人類すべてが進化しない限り
暴力=力で解決という構図は永遠に変わらない。
アトムは完全無欠の100%優等生。その高い
倫理観は実は「人類進化の完成形」なのだが
それは機械だから可能なことで心の歪さを
併せ持つ人間には真似のできない絶対正義なのだ。
より正しく生きることは人類には理想であるが
絶対到達できない「絵に描いた餅」ともいえる。
様々な創作物でロボットが人間に憧れ近づきた
いと望む作品が多いけど、実は人間は欠陥品なのだ。