宮廷ミステリーというお題目の名に恥じぬ仕上がりで、通して満足度高かった。
まさしく猫のようないたずらっぽい風体と飄々とした性格の主人公が魅力的で、しっかり巻き込まれたりもしつつ、ミステリーに不可欠な抑えられぬ好奇心を以って興味深く周囲と関わっていくのが面白かった。
有能ではあるけれど全部自分で解決ではなく、ちゃんと下女らしく教えてもらったりしながら気付きを得ていくところもキャラとして良い役割を果たしていた。
そして噂と計略渦巻く宮中や女社会、大奥的な華やかで怪しい異文化なども、なかなかそれ自体が他ではじっくりと観られない類のものだったので、ジャンル的な新鮮さも楽しめるところだった。
また衣装や建物、室内の装飾なども細かく描かれていて画面自体に見応えがあり、そしてたまの挿入歌が添えられるシーンでは、儚げな美しさが切り取られていて引き込まれた。