「神様、世界は今日も健やかに狂っています。」 都内私立高校に通う高校一年生のゴローには、「望み」や「夢」もなければ「野望」もない。 世界は彼にとって「無関心」なものであり、同じ学校の同級生であるホノカに淡い憧れを抱きながら、親友のアキツと変わり映えのしない退屈な日常を過ごしていた。 そんなある日、ゴローのスマートフォンに奇妙な通知が届く。 「あなたは選ばれました。願いを吹き込んでください」 悪質なスパムだと思ったゴローは「憧れのホノカとエッチなことがしたい」とつぶやく。 すると翌日ホノカに誘われ、人気のないゲーセンでズボンを降ろされて…。 「大願成就、おめでとうございや~す!」 そこに突如現れた不思議な少女ラル。 一連の出来事に混乱するゴローに、残酷な運命を告げる。 ゴローは「大いなる意志」に選ばれ、願いを叶えるため「神様」の座をかけて、他のカミサマ候補たちと最後の一人になるまで殺しあうのだと。 与えられた能力は「愚者の聖典」。 自分自身に降りかかる「不幸」を代償に、世界の因果を捻じ曲げ、この世の理を自在に操る力。 真っ先にゴローを殺そうと現れた最初のカミサマ候補は、あろうことか憧れのホノカだった。 容赦なく襲い掛かってくるホノカに対して、ゴローがとった選択とは―? かくして、秘密を抱えたカミサマ候補達によるフェティッシュ・バトルロワイヤルが開幕する――!
とある夏の日。いつもと変わらない日常に退屈していた少年・ゴローのスマホに謎のメッセージが届く。「あなたの願いを吹き込んでください」――スパムだと思い「憧れのホノカとエッチなことがしたい」と適当な願いを呟くと、彼の状況は一変する。SNSにアップした覚えのない動画、気になっていたホノカとの急接近……。そして世界の神様を選ぶ“カミエラビ”が始まるのだった。
カミエラビの始まりと共に現れた謎の少女・ラルと世界の因果を捻じ曲げる力“愚者の聖典”を手にしたゴローは、その力で生き返らせたホノカと、友人で同じく”神様候補”であるアキツと同盟を組む。ゴローとアキツが、彼らより前に状況に身を置いているホノカから、カミエラビについて教わっている最中、突如爆炎があがり、ガスマスク姿の人物が現れる。
同盟関係になり、共闘してガスマスクの”神様候補”を退けるも、アキツとホノカには警戒しろというラル。 しかし、ゴローにとって特にアキツはかけがえのない友達で、信頼できる相手だった。 アキツにスマホを奪われても、ただの悪ふざけとして気にしないゴローは、 今後のことを相談するためにアキツとの溜まり場“ゲーセン”へ向かうが……。
アキツを殺してしまったことで塞ぎこんでいたゴローは、ホノカからどんな悩みでも解決してくれる“天使くん”の話を聞く。 「天使くんの謎を暴きたい」と言う科学研究会のチカに付きまとわれながら、学校にいる天使くんを探すゴロー。 2人はチカの調べた情報を元に天使くん・タツヤを見つけるが、彼はヤンキーのような風貌のコウキに絡まれていて……。
チカからのSOSと、さらにホノカが天使くんの手に落ちてしまっていることに気づいたゴローは、夜の学校へ向かう。そこにいたのは、異形の仮面を付けた生徒たちと、彼らと戦うコウキだった。コウキからの話でタツヤが”神様候補”だと知ったゴローは、天使くん・タツヤを止めるためにコウキ、チカと共に夜の校舎を駆け抜ける。
推しのアイドル・イヨのライブチケットを間違って2人分買ってしまったゴローは、コウキを誘う。その際、”カミエラビ”を棄権したタツヤの代わりにコウキが”神様候補”に選ばれてしまったことを知る。そんな中、ライブ開始直前、ゴローが男子トイレに行くと、イヨと遭遇。しかもライブの爆破予告を出した犯人だとイヨに疑われてしまい……。
度重なる神様候補との戦いでゴローが因果律を捻じ曲げてきた力の代償は、不幸という形で彼自身に降り注ぐ。ゴローが倒れたという知らせを受けたホノカは彼の殺害を目論むが、コウキとラルに止められてしまう。悔しい思いをしながらも病院を出ようとするホノカだったが、そこで人を探しているというチカと出会い、不思議な空間へ呑み込まれてしまう。その先でホノカは自身の壮絶な過去と対面する。
ゲーセンでゴローの退院祝いをしていると、突然テレビの中からセクシー女優のミツコが姿を表す。神様候補のケイタに友達を誘拐されたというミツコは、ゴローたちに協力を頼む。しかし“情報”を武器にするケイタは、嘘の情報を事実として広める力を持っていて……。一方、病院での戦いのあとチカを救っていたホノカは、彼女から神様候補の情報を得ようとしていた。
ケイタの拡散した“情報”で指名手配されてしまったゴローたちは、「生き残ったひとりが全員の願いを叶えること」を条件に、チカと共にやってきたホノカと再び同盟を組む。一行はケイタの攻撃から逃れるため、ミツコの能力で空間を飛び越えようとするが、跳躍先のイメージに失敗してしまう。しかし、ゴローたちが飛んだ先にはケイタに繋がる意外な人物がいて……。
ミツコの能力による影響で、ゴローたちとは別の場所に転移していたホノカ、コウキ、チカは、キョウを相手に苦戦を強いられていた。一方、ケイタを倒したゴローたちは、自分たち神様候補の持つ力や、カミエラビが行われている意味に疑問を持つ。イヨはゴローの能力の一端であるラルに詰め寄るが、ラルは「何も覚えていない」と何かを隠そうとしていて……。
かつて病弱だったキョウは、治療法が見つからないまま若くして命を落とす。しかし、神様候補になったリョウの、兄を返してほしいという願いとパラレルワールドを作り出す能力によって、彼は再び世界に顕現していた。そして、パラレルワールドを意のままに操ることが出来るキョウは、リョウのための理想郷を作るべく、因果律を歪められるゴローに協力を頼むのだが……。
ゴローはキョウとリョウを止めることに成功するも、力を使った代償として体の感覚を奪われ、ホノカたちとのこれまでの関係性も失い、敵として襲われてしまう。ラルだけが必死で守る中、その姿を見つめるゴローは、これまで戦ってきた神様候補たちの願いと、自らの過去に直面し、いままで忘れていた自身の「本当の願い」を思い出す。
©カミエラビ製作委員会