Fsuke

新世紀エヴァンゲリオンのFsukeのレビュー・感想・評価

新世紀エヴァンゲリオン(1995年製作のアニメ)
4.5
色々な作品のオマージュがあるのは、今更言うまでもないが、終盤に向かうにつれて今までの映像すら加工したりして再利用していく。
事情があってのことだろうけど。
最早ヤケクソにも見える。

ただガンガン進んでいく特徴的な編集、文字や抽象的な絵を取り入れた演出でそんなことはあまり
気にならない。
そしてこれらも岡本喜八や、何かしらに影響を受けているんだろう。

シンジはなんども同じことを繰り返す。
他人との関係に挫折して、立ち直って、また挫折して。
他人が怖い。
他人にどう見られるか怖い。
そんな生きていれば当たり前の悩み。

25、26話の自問自答はシンジの物語というだけではなくて、庵野監督がオリジナルでは無いと自覚した上で、色々な作品のつぎはぎで出来ているこの作品そのものの事でもあるんじゃないだろうか。

他人という鏡に映った自分に苦悶しつつも、アイデンティティを確立しようとする物語。


文字にすると陳腐だな。
でも人間ってそういう生き物よね。
Fsuke

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