なかずかい

勇気爆発バーンブレイバーンのなかずかいのレビュー・感想・評価

勇気爆発バーンブレイバーン(2024年製作のアニメ)
3.1
大張正己監督によるスーパーロボットアニメ文化のイメージを逆手に取ったイロモノアニメである。
『ウルトラマンZ』で軍事設定・考証、『ウルトラマンブレーザー』でシリーズ構成を務めた小柳啓吾氏がシリーズ構成を務めており、突如現れたブレイバーンという言動のおかしい主役ロボットとの異文化コミュニケーションで幕を開け掴みの良かった本作であった。面白いアニメだが個人的な地雷がしばしばあったので回が進むにつれて没入感がかなり低下してしまった。

以下アニメの感想ではなく自分語りなので、気に入らん人は飛ばしてください。

自分は精神不安定の大学の同級生Aに毎日付き纏われて3年もの長い時間精神を擦り減らした過去がある。奴はこちらの居場所を毎日突き止めてやってきては自分の快も不快も何時間もぶちまけ続けた。論理的に説得しても意に介せず引かない奴にいつしか恐怖を覚えたものだ。どうも彼は俺のことが大好きでそういった行動に出ていたらしいが大いに迷惑だ。多分彼は双極性障害であったのではないかと思うのだが、別の同級生Bに四六時中「お前が構ってやらないと可哀想だ」と罪悪感を煽られ、更に逃げた先の居場所を密告され、こんなに苦しい日々だが人のためになるような正しいことはやっているのだという気持ちで乗り越えようとしたものであった。それでいて同級生Aには虚言癖があり色々な場所であることないこと俺の悪口みたいなものをばら撒いたりもしていたようだ。毎日自分が間違っているのか?と自問自答し続けるも最終的にこちらのメンタルに限界が来て同級生ABとは一切の縁を切ることとなったが、未だに同級生Aを目前に控えると手の震えが止まらなくなり頭が真っ白になる。かなり経緯を省いたのでこの文章から自分の苦労を理解してくれる人がいるとは思わないが、ほぼほぼPTSDである。

で、このブレイバーン、その自分が苦労したストーカーに非常に似ている。やたらと自分との繋がりを運命的に語り自分への愛を声高に主張するこのストーカーのせいでCIAには拷問され、最早こいつのいない場所でさえしんどいことになっているのにこいつは何も意に介せず、どころかこいつの奇行動は増長する一方であった。なのに誰も同情するどころか事態の深刻さを把握すらしてくれないし、助けてくれたと思ったスミスはブレイバーンに乗れだの言うし裸の美少女とイチャイチャしてるし。それでも世界を守るためにはこいつと付き合っていかねばならないと折り合いをつけていくいう話なんだと思っていたが、イサミはいつしかブレイバーンを認めるようになってしまう。これはもう洗脳されてるだろう。それでいて気持ち悪いロボットブレイバーンの正体は亡くなった戦友であった。こんな辛い話があるだろうか。しかもだ、ブレイバーンと一緒に戦った末に、イサミはブレイバーンと合身しブレイバーンのような奇妙な言動をするバーンブレイブビックバーンとなってしまう。こんな悲しいことがあろうか。世界平和のためにと努力をしてこんな気持ちの悪い存在と一体化するようになってしまう。俺にはイサミが洗脳されてしまったようにしか見えない。

まあ面白い試みのアニメではあったんだけど、こういう自分のトラウマからあまり納得の出来るストーリーではなかった。アニメが悪いのではなく俺が悪い。ごめんよ。あのクソストーカーがいなければこのアニメをもっと楽しめていた可能性もあったのだと思うとまた奴に腹が立ってきた。あの頃しっかりと怒っていれば現在が変わっていたとも思うのだが当時は同級生Bに洗脳されていたのでどうしようもない。
なかずかい

なかずかい