旅から旅の生活に疲れ、落ち着いた生活を求めて、リゴドンは新しいご主人ロンドンのウィリー・フォグ宅の玄関のベルを押した。イギリス紳士ウィリー・フォグは、ロンドンの街を一歩も出たことがない変わり者で、その上、生活時間は時計の針のような正確さ。ウィリー・フォグ氏の一日の生活はクラブに出かけることに始まる。
ロンドンの街はこの冒険の旅の賭に沸いた。イギリス紳士ウィリー・フォグ、そしてリゴドンとその友人チコの三人は80日で再びロンドンに戻る旅に出発する。 イングランド銀行の頭取サリバンは部下トランスファーに三名の旅を失敗に終わらすべく妨害を命じる。突然の旅は銀行強盗の容疑までがウィリー・フォグにかかり・・・
花の都パリに到着したウィリー・フォグ一行を待ち受けていたのは、貴婦人に変装したトランスファー。親切を間に受けて乗った馬車はとんでもない方向に向かって走り出す。馬車を追って自転車のディスク刑事とブリー助手は災難。苦難の旅を始めたイギリス紳士の一行は、モンゴリア号に乗って一路スエズに向かってヨーロッパ大陸に別れを告げる。
ウィリー・フォグの一行は、スエズに到着したもののトランスフアーの妨害で、スエズ運河通過をはばまれている。やむなく上陸する一行を待ち受けていたトランスファーは、今度は彼等のパスポートを盗み、廃虚となった神殿の中に逃げ込んだ。
ウィリー・フォグは、トランスファーからパスポートを取り返すことに成功するが、モンゴリア号はすでに16時間も出航が遅れている。船長の協力を得てボンベイへの順調な旅を続けるはずが、再びトランスファーの妨害で船は大騒動になる。
旅はすでに18日間を経過した。ボンベイに到着したリゴドン、チコはご主人様ウィリー・フォグに変装したトランスファーの作戦にかかり、インドの寺院に迷い込んで、大活劇を演ずる。
ボンベイを出発してカルカッタへ向かうウィリー・フォグ一行は快適な列車の旅を続けていたが、突然ジャングルの手前で線路が終わっていた。アラハバードまでの80kmは鉄道がまだ敷かれていないという。困り果てた一行は象使いのパルシと象のコアに出会い、アルハバードまで乗せてもれえるように交渉する。しかし、・・・
象に乗ってジャングルを行くフォグ一行を追うディスク刑事とブリー、そして象使いのパルシ。一方、先を行くフォグ一行は象使いのパルシに変装したトランスファーと気が合わない。象のコアのエサを探しに出て穴に落ちたチリとリゴドンをやっと助けてジャングルを進む一行に、トランスファーの悪略が執拗に繰り返される。
ジャングルを旅してアラハバードを目指すウィリー・フォグ一行に迫る鐘・太鼓。木陰に身をひそめている一行の前に現われたのはマオタイ族の楽隊、兵士、僧に囲まれた柩と、護衛兵にはさまれた王女ロミーであった。部族の王が死ぬと最愛の娘が生贄にされるというしきたりのため、ロミー姫が葬られようとしていたのである。フォグ一行は・・
ロミー姫を助けたウィリー・フォグ一行は、マオタイ族の追っ手をなんとか振り切ったが、奥深いジャングルの中では、アラハバードの方角も分からない。困っているところへ象使いのパルシがようやく追い付いて象のコアと再会。フォグ一行に対するパルシの誤解も解けて彼の道案内でジャングルを無事通過出来たのである。そして・・・
トランスファーは、また悪知恵を働かせて、今度はフォグの友人コーン将軍の部下、オネスト少尉に変装し、フォグ一行をラングーン号に乗船させてあげようとボートに乗せた。ところが途中でボートに水がしみこんできたのである。やっとのおもいで沈みかけたボートの難からのがれると待っていたのは警察官。裁判にかけられたのは・・・
先はまだ長いが、残る日数はあと53日。ラングーン号でシンガポールへ向かうウィリー・フォグ一行。船内では火夫に変装したトランスファーが、石灰を燃やし尽くしてしまったので、風が出るまで船は順調に航行出来ないと一行を困らせる。やっとの思いでシンガポールに着いた一行は、早速総督府へロミーの叔母の行方を照会するが・・・
ホンコンに着いたラングーン号…帆は切れ、ロープは垂れ下がり、台風の激しかったことを物語っていた。乗船しようと思っていたヨコハマに向かうカルナティック号はすでに出航し、次の船は1週間後になるという。ディスク刑事はこの間にフォグを逮捕しようと大張りきり。フォグはロミーを連れて叔母を探し、リゴドン、チコは・・・
リゴドンとチコはディスク刑事とトランスファーの罠にはまってカルナティック号に乗せられ船底で目をさます。そのうえ水夫に化けたトランスファーに、タダ乗りだと船賃分働かされる羽目になる。叔母を亡くして傷心のロミーは、ウィリー・フォグ一行と旅することになる。戻らぬリゴドン、チコのことを心配しながら・・・
カルナティック号でヨコハマへ向かうリゴドンとチコは、水夫になりすましたトランスファーに無賃乗船のいいがかりで働かされる。その上、ヨコハマに着くやいなや船を追われてしまった。お金も泊まるところもない二人は、親切な人力車引きのゲンジに出会い、サーカスを紹介してもらって働くことになる。一方、フォグとロミーは・・・
太平洋を行くグラント将軍の船上、リゴドンはディスク刑事を見つけ、本物のイギリス刑事ならあんな汚い手は使わないはずだとホンコンでの仕打ちを怒るのだった。航海中、船はまたまたトランスファーの悪巧みで水不足になり、水の補給のためやむなく航路をハワイに変えることになった。その頃、島では・・・
フォグ一行の乗ったグランド将軍号は、サンフランシスコを目指して順調に航海を続け、入港を明日に控えていた。しかし、トランスファーがマストに火を付けたため帆は燃えてしまい、潮に流されて着いたところは、なんとメキシコのティファナ港。食事中に「悪魔だ」「神様だ」という騒々しい声に表に出ると・・・
ティファナ港から気球でサンフランシスコへ向かうフォグ一行は雲海の合間からサンフランシスコ湾を見下ろして大喜び。空からの入国者に保安官はビックリしたが、フォグの折り目正しい態度に「正真正銘のイギリス紳士だ」と心よく協力してくれるのだった。フォグ一行は夕方の列車の時間まで休息することにしたが、今度は・・・
サンフランシスコで危機を切り抜けたフォグ一行は、アメリカ大陸横断鉄道に乗り込んだ。広大な砂漠をひた走る列車の中で突然一行の前に現われた男はブルマンと名乗り、このセントラル・パシフィック鉄道の重役だという。ブルマンの自慢話はとどまるところを知らない。ところが、その自慢の列車が駅でもないのに停車した。原因は・・・
大平原を行くフォグ一行の乗った列車がインデアンに襲われた。激しく飛んでくる矢。だが紳士のフォグは「傷つけてはいかん。銃声で脅して退却させるのだ」とインデアンをみごとに退却させる。難をのがれ列車が走り始めたのも束の間、機関車がトランスファーの仕業で暴走しはじめた。リゴドンとチコは爆走する機関車の屋根に・・・
インデアンの若酋長の好意で譲り受けた馬で、キアニー駅へ戻ったフォグとリゴドン、チコ、ディスク刑事。そして彼らを大喜びで迎えるロミーとブリー助手。だがメディシンボウ橋が壊れた今となっては次の列車が来るはずもない。考え込むフォグ。ふと引き込み線にある工事用トロッコに目をとめると、トロッコで行こうと決心した。
3日後にニューヨークを出るチャイナ号に間に合わなければこの旅の成功は絶望的なのに、大雪のためにシカゴに足止めされてしまっているフォグ一行。フォグは思案をめぐらし、ソリの利用を思いつく。ソリで一直線にナイアガラを渡ってバッファローに向かうのだという。ソリを探すフォグの前をスノーヨットが、物凄いスピードで走って行く・・・
ニューヨークへ着いてみると目指すチャイナ号は、一足違いで出航してしまった後だった。残念がるリゴドンとチコをフォグは「他の船を探せばいいんだ」と慰める。ところが、どこの船会社へ尋ねてもリバプールへ直行する船はない。仕方なしに外輪船のフェリーでハドソン河を渡ってマンハッタンへ行き、そこで船を探すことにした。
コックになりすましたトランスファーの腹痛薬入りの料理で腹痛になったスピーディ船長に代わってフォグが舵をとるアンリエッタ号は帆をいっぱいに張り快調に進んでいた。しかしそれも束の間、北大西洋特有のハリケーンの発生でまたまた大騒動。スピーディ船長の忠告にもかかわらず、フォグは・・・
アンリエッタ号は、木造の部分を燃料にしながら、やっとリバプールに到着したが、その姿は鉄骨だけの無惨なものだった。ロンドンまで汽車で行く時間を計算してみると、80日間世界一周の制限時間よりも30分早くリフォームクラブへ着けることになる。フォグは賭けに勝てるのである。ところが、桟橋から陸へ向かうフォグ一行の前に・・・
10分たらずの遅れでフォグは80日間世界一周の賭けに敗れた。リゴドンとチコは破産してしまったフォグを哀れに思い、なかなかフォグ邸を立ち去ることが出来ない。一方、傷心のフォグはロミーに愛を打ち明け、ロミーもまたフォグを愛していることを伝え、翌日結婚式を挙げることに決めた。
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