不死身のKOKI

忘却バッテリーの不死身のKOKIのレビュー・感想・評価

忘却バッテリー(2024年製作のアニメ)
5.0
野球という地獄。

さも爽やか青春野球アニメみたいなパッケージからは想像が出来ない程に、「高校野球」の地獄のような側面をハッキリと描き切っている本作。

元々、原作は連載初期から追ってきてはいたが、アニメになって声や動きがついた事により、原作以上に球児たちの圧倒的な「才能」を前にした時の絶望を生々しく表現されているように感じていて、特に6話の藤堂がイップスになってしまった過去に至ってはあまりにも残酷すぎて、如何に野球というスポーツが地獄かを丁寧に思い知らされたほど。

恐らく一部の新規の視聴者の中には序盤に見せられるギャグシーンや主人公の一発芸に拒否反応を覚えて、途中離脱をしてしまった人が多くいると思うが、そういった界隈にこそせめて6話まで見てほしい。原作でもそうだったが、この6話の話から「忘却バッテリー」という作品の本性が現れて、更に話が進んでいくと、キツいサムいと思ったあのギャグシーンの奥底にある辛すぎる実態が顕になるので、是非食わず嫌いをせずに見守ってほしい。個人的にはスポーツ漫画の金字塔である、あの「スラムダンク」にすら匹敵するほどに大好きな作品です。
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