dendoh

響け!ユーフォニアム2のdendohのネタバレレビュー・内容・結末

響け!ユーフォニアム2(2016年製作のアニメ)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

二期の主題は『あすか』と『真美子』にあると思う。この二人は久美子にとって、尊敬するユーフォの先輩であり、また吹奏楽を始めたきっかけとなる人。そして、どちらも親との関係が上手く行っていない。


最初の数話は希美-みぞれ(あとは優子と夏紀)が話の中心となる。ここにおいてあすかは希美や久美子本人の意志を、受け身ながらも全く尊重しない。それは『希美の再入部を認めないことが、みぞれを保護する事に繋がる → それが部の利益になる』という考えを持っているから。そもそもみぞれの本心を誤認しているのだけど..。
ーーーで、これが何かと言えば、親の行動のトレースなのではと思った。虐待連鎖というか、パターナリズムの連鎖? あすか母は理想の将来像を子供に押し付ける毒親だが、あすか自身ものぞみぞに対する一方的なイメージを持っており、それが言動に現れていたように見えた。
結局のところ、あすかは『模試順位』を盾に何とか部に残留するのだが、最後まで母親と対立するシーンは描かれなかった。

それに対し、久美子姉にあたる麻美子も、今まで親の意向を汲もうと『勝手に忖度』して、自分で意思決定することを避けていた。麻美子と両親、それぞれどの程度の否があるのかは良く分からないけど、いずれにせよ麻美子は両親(特に父親)と正面から対立し、自分の意志を貫いて大学を中退する。

親からしたら、あすかの方が良い子なんだろけど、自分は『麻美子の物語』の方が好き。
作品としては『自己決定』を重要視していると思う(だからこそ部活モノであるにも関わらず、葵のように部を辞める存在が肯定的に描かれる)ので、あすかの結末は作品的には否定されるものであるように思うのだが、この結末で良いのか?と思った。多分あすかは大学進学するのだろうけど、それは本当に彼女の意思に沿ったものなのだろうか。疑問だ。いつかあすか先輩も『美容師になる!』と言って母親と対立したりしないんだろうか。


なお麗奈と瀧先生の関係性も色々描かれたけど、自分は『伴侶を失った』という設定が教師-生徒の恋愛を描く上で都合良すぎて萎えるので、この二人を全く推すことが出来ない。しかしそれに久美子の存在をプラスすると一気に可能性が広がるのは事実。
いやいや、やっぱり女子同士の関係性だけで良いのでは。 秀一とかもそうだけど、アニメだけ観てると、異性の恋愛対象を配置する意味は全く分からないんだよなぁ。

次は劇場版を観る。既に『リズと青い鳥』は鑑賞済だけど、再視聴!
dendoh

dendoh