21世紀の作画じゃない。
設定はかなり良いです。
でも肝心の中身はオリジナルがほとんどの様で、昭和~平成前半レベルのチープさに感じました。ぎり21世紀ですね。
ナルトシリーズでもそうですが、ぴえろのオリストはとにかくつまらないです。
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設定はこんな感じ↓
陰陽師が影ながら、<穢れ>という化け物を封印して人々を守っている世界。
主人公の少年は将来を期待される程の能力を持っているが、数年前に養成学校の寮での悲惨な事件に巻き込まれ、心に大きな傷を抱えて生き残った。そのトラウマで<穢れ>との戦いから逃げている。
もう一人の主人公である少女は、幼いころに目の前で両親を<穢れ>に殺され、さらに、双子の兄も<穢れ>の事件に巻き込まれて死んでしまう。
天涯孤独の身となるも、自身のみの力で多くの<穢れ>を狩り、陰陽師たちからの畏敬の念を集めていた。
そんな多くを失った中学生の二人が、<双星>という運命を負い、すべての<穢れ>を払える子どもを産むための夫婦に選ばれる。
でこぼこの二人が反発しあいながらも、お互いの信念を認め合い、手を取り合って挫折と試練を乗り越えていく。
というお話です。
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とても面白そうではありませんか?
そうでもない? 私は面白そうだと感じました。
特に悲劇を経験してきた二人が、その心理的外傷を互いに埋め合って強くなっていくところに期待大でした。
ただね。原作がジャンプSQだからか、夕方の放送枠だからか、恋愛要素のボキャブラリが非常に乏しいです。
レーション的にキスまでが限界っぽいのです。
「すべての<穢れを滅ぼす>こと」が本作と二人の主人公の目標です。
そして、設定上「夫婦になり、子どもを産むこと」がこの目標の最短の道になります。
しかし、子どもを産むためには性交渉が不可欠。
キスまでしか表現できないのなら、別の方法を提示するしかない。ということで、主人公たちはいつまで経っても、同棲をしても一向に交際すらしません。
そのマンネリ感が非常につまらない。
主人公たちが子づくりという使命を拒んで、もどかしい距離感を楽しんでいる間にも多くの仲間が死んでいきます。
それも数人ではなく、数百人単位で陰陽師が生贄にされています。
ここまで来ると、私には二人が使命を投げ出してさぼっているようにしか見えません。
それを良しとする幹部たちも口ではいろいろ言うけど、仲間が死ぬのは別にいいのでしょうか。
ここまでの事態になれば、普通は結婚でも何でもして、すべての<穢れ>を払う子供を産むと思うんですよ。
それも<穢れ>に並々ならぬ怨嗟と因縁を持つ二人なのですから。
そこに踏み込めない点がこの作品の駄目なところです。
恋愛パートの先延ばしもきついです。
告白しようとして、トラブルが発生。先延ばし~という展開が何度もあって諄い。
後半は二人の顔が近づいてお互いに瞳がゆらゆら揺れる演出が繰り返し出てきて、製作陣のボキャブラリーの少なさに観ている方が恥ずかしくなります。
本作は、2クールでも長いくらいですね。
14,5話で出来たら評価も上がったかもしれません。
もちろん、その場合は恋愛・<穢れ>討伐・それぞれの使命の3つを同じくらいのバランスで、有機的に絡めた、複雑でありながらシンプルに理解できるプロットと脚本が必要ですが。
つまり、ぴえろでは不可能。
できるのは、ホワイトフォックスか、本気を出した時のA1くらいでしょうか。
JCやシルバーリンク向きの設定でもありますが、その場合は原作の抜粋ですね。そっちの方が面白そうですが笑
この作品は「二人の子供が最強の陰陽師になる」ではなく、「二人の心が交わった時に最強の陰陽師になる」という設定にして、幹部を置いていくインフレを起こせばすべて解決したと思う。