何も解決しているわけでも、何も救われているわけでもなく、それでいて何もなかったわけでは決してない。
人は真実を知ったところで劇的に生き方を変えられない。とくにその当たり前が仮初とはいえ、まるで楽園のようにも思えるならば。
人の犯罪可能性を計測できるようになった近未来の日本。シビュラと呼ばれる世界の要によって監視されるなかで、それを使い人を裁くは公安の刑事たち。
なんと魅力的な設定かつキャラクターたち、そしてかっこいいガジェットか。。!
非の打ち所がない完璧ともいえるシーズン1。
犯罪可能性という未遂でさえも、裁かれる可能性があるディストピアともいえる世界なのに、それがあるがゆえに平和を世界で唯一享受できている日本。
その世界をおかしいと感じる正常なる異物が掻き乱す物語において、人が成長していきそれと共に人間が浮き彫りになっていく。
分かり合えない孤独な世界において、
求めるものはリアルか虚構か。
そんな正解のない問いに明確な答えを
出すわけではなく、ただ今はここまでと
一息ついていく物語。
何度見ても、楽しませてくれる底の知れない
奥がずっとある気がする。