Yoshishun

PSYCHO-PASS サイコパス 2のYoshishunのレビュー・感想・評価

PSYCHO-PASS サイコパス 2(2014年製作のアニメ)
3.6
公開中の劇場版を観て久々に観たくなったので視聴。
地上波放送時は、1期の刑事ものとしての面白さよりも映像の刺激の強さ重視であまり好きになれなかった。
しかし今回見直してみてシュビラシステムが脳の集合体であることを逆手に取ったストーリーや、鹿矛囲桐斗の槙島聖護とは異なるカリスマ性とその正体には驚きがあった。
まあ、鹿矛囲という人間を執行対象としてしまえば則解決な事案ではあるし、本作から登場の東金朔夜がどう見ても悪役、東金と狡噛を重ね合わせる常守の心理状態の変化の描写が雑であったりと文句は多め。1期の半分しかなかったのも劇場版への繋ぎの意味合いが強いからだろうが、2期での出来事をその劇場版に全くトレースしていないので何のための続編だったのかは甚だ疑問。

やはり終わっていた物語を無理くり引き伸ばしたことで、常守の正義の物語をここまで長い間追える嬉しさがある反面、一向に終わらぬ物語の始まりとなったこの2期は罪深い。見てる側の色相が黒に染まりそうだ。

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※2014.10 地上波視聴時

脚本・虚淵玄×監督・本広克行によって生み出された知的かつ大胆なSF刑事サスペンスの傑作は、続編キラーと呼ばれる脚本家へとバトンタッチ、そして次作である劇場版に専念するための監督交代など、製作の都合による交代劇が生じたおかげで駄作へと成り果てた。

いや、駄作というより、完全に劇場版への繋ぎの役割しか果たしていない。いや、もっといってしまうと劇場版では2期で発生した事件については一切合切全く触れられないのだ。じゃあ何のための第2期だったのか。適当に新キャラ出して誤魔化した一種のファンムービーでしかなかった。

ハッキリいうと、1期が良く出来すぎていた。主人公の葛藤ぐらいしか2期の魅力はなく、全体的にストーリーもキャラクターも弱い。唯一藤原啓治演じる執行官は良かったが、どうみても悪人顔なので展開が読めてしまう。驚愕だったのが、グロ描写だけスケールアップしていたことだ。第5話の大量虐殺をよく地上波で流したなと思った。

この第2期が唯一第1期を超えた点は、凛として時雨のOPぐらい。
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