ぺん

電脳コイルのぺんのレビュー・感想・評価

電脳コイル(2007年製作のアニメ)
4.0
昭和のノスタルジックな面影を残した地方都市と電脳世界が違和感なく馴染む作画、設定が独創的。
放送された2007年当時、子どもが主人公のアニメにARやVRをメインで登場させているのは異色で新鮮だった。
今見ても色褪せないし、むしろ今でこそ身近に感じられる世界観を作り出せている。

序盤はやや平坦で長く感じるものの、中盤以降に一つ一つ伏線が解けていくシナリオ、電脳生物を取り巻くヒューマンドラマは見応えがあった。
電脳世界が現実を侵食してくる恐さ。デジタル化が進んでも、それを良く使うも悪く使うも操る人間の指先一つ。
先進的な話でありながら、個性豊かな子どもたちと電脳ペットが活躍するジュブナイルものとしても先が気になって楽しい。
みんな小学生の割に行政についても詳しくて賢すぎるけど。
全く相容れないイサコとヤサコ、二人の少女の点と点が線で繋がる終盤は驚き。

横道エピソードでは恐竜の回が切なくて好きです。
発毛の話も、毛の話から宇宙創生や滅亡の再現まで行ってしまう星新一みたいなシュールSFっぷりがおかしくて好き。
礒光雄監督の新作もすごく楽しみ(*´∀`)
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