次郎

Fate/Zero 2ndシーズンの次郎のレビュー・感想・評価

Fate/Zero 2ndシーズン(2012年製作のアニメ)
4.0
間宮切嗣のダークヒーローと呼ぶのも生温い、こちらの予想を上回る手段の選ばなさ。サイコパスな正義の味方とでも言うべきやり口には愉悦部に正式入部した綺礼ちゃんも大執着して大迷惑。もうウェイバーが主人公でいいよ。

S1以上に救われない具合はアップし、誰も幸せになれないバッドエンド感は流石の虚淵イズム。マスターにガン無視された上、次々と不遇な目に合うセイバーは本当に前作メインヒロインだったのかと問いただしたくなる虐められっぷり。後味の悪さともまた違う、ただひたすらにやるせないという感情に魅入られてしまうのは、視聴者も知らぬ間に愉悦部に入部させられていたのだという悪趣味ぶり。

そういえば今月はfate zero公開10周年ということで少し話題になってたけど、2011年に公開されていたアニメを確認すると虚淵の代表作となったまどまぎを始め、廻るピングドラムやTIGER&BANNY、シュタインズゲートや花咲くいろはといった具合に、当時全然アニメを見なかった自分でも何度も名前を耳にした作品ばかりで驚いた。当然ながらこの年は震災の爪痕が残った1年だったけど、思い返そうとして遠く感じるのはコロナ禍という新しい災厄が降りかかったが故なんだろうか。
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