しおえもんGoGo

バビロンのしおえもんGoGoのネタバレレビュー・内容・結末

バビロン(2019年製作のアニメ)
2.7

このレビューはネタバレを含みます

ちょっと作為的にやり過ぎたな、と、いろいろ欲張りすぎてるような印象。

姿を変えて裏で暗躍する謎めいた女の話とか、自殺法の議論とかは非常に面白いのに、途中から曲世の悪と特殊能力が立ちすぎてて、肝心の自殺法関連の話がぼやけてしまう。
せっかく人の死ぬ権利とか、なぜ人は自殺してはいけないのかという重たくも議論しがいのあるテーマを扱ってるのに、キーマンの曲世は死ぬ気が無い人を殺す力がある。
それじゃあ曲世さえ殺せばこの自殺法ブームはそこまで重要視する必要は無くなるのでは。

自殺法の話はある意味安楽死を合法化するかと似たようなものだと思うけど、ここに一人無差別に殺人を犯し、法案を通すために国のトップを脅す女が居たとしたら、その法案云々以前にその女をどうにかしろという話になるでしょう。

ラストの各国のトップやアメリカ大統領の話し合いは「なぜ人は自殺してはいけないのか」に対する良いアプローチになっていたと思うのに、不条理でシビアで後味の悪い話として爪痕残したいという作為が見える気がする。

途中までは良かったのに、曲世がささやくだけ一瞬で人を自殺に追いやれる設定が出てきたところからおかしくなったように感じた。

この自殺法があればもしかしたら「死刑になって死にたかった」みたいな事件を防げるのかしら。
昔「完全自殺マニュアル」という本が流行った事があったけど、いざという時の逃げ道があると思えば割と人って頑張れるのかも。
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