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山賊の娘ローニャのめるのレビュー・感想・評価

山賊の娘ローニャ(2014年製作のアニメ)
3.8
「ローニャ、僕のきょうだい」

2014年当時、Twitterのフォロワーさんと盛り上がったアニメで、二次創作もいろいろ読んだな~。それだけキャラクターが魅力的だった。

宮崎吾郎が初の3DCGでスウェーデンの児童文学『山賊のむすめローニャ』を映像化。
ローニャとビルクの交流が生き生きと描かれていて微笑ましくて、スウェーデンの森が美しく描かれていてローニャがあの森にどっぷり浸りたい気持ちがよく分かる。

吾郎監督が3DCGに挑戦したのは革新的だった。
3DCGのキャラクターの動きはまだまだ手描きに比べるとぎこちないけど少しずつ進化していくのかな。

原作をパラパラと読むと台詞の一語一句がアニメとほとんど同じ。
良くも悪くも原作に忠実。いいお話だけどテンポがものすごく遅い。たまに不自然な展開がある。本で読むと気にならないところがアニメにすると気になる。
『アルプスの少女ハイジ』が話を膨らませたように、ローニャも削ったり微調整をするべきだったと思う。ローニャを一時間半の映画にしたら評価も変わるのでは?

例えば、個人的には鳥女の怖さが伝わりなかったのが物足りなかった。「原作に忠実に」「子供向けだから」と言ってしまえばそれまでだけど、鉤爪一つでマッティスが腕に怪我をするとか過去に鳥女で大怪我をした人の話をするとか何か方法があったはず。

手嶌葵さんの歌うOP「春のさけび」もよく聴いた。EDの夏木マリさんの歌う「Player」も力強くて、近藤勝也さんのイラストが素敵だった。

結論としては世間の評価は厳しくても私の愛すべき作品です。

世界名作劇場に近いものを感じていて、こういうギスギスした世の中だからこそ、再びこういう作品が必要とされ愛される時代が来るといいなと思っています。
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