さうすぽー

残響のテロルのさうすぽーのレビュー・感想・評価

残響のテロル(2014年製作のアニメ)
3.6
自己満足点 71点

カウボーイビバップの渡辺信一郎監督が手掛けたピカレスク・アニメであり、高校生が核爆弾を盗み出して日本で核テロを起こすという過激な問題作。

今作は恐らく渡辺監督自身がオールタイムベストに上げている「太陽を盗んだ男」から着想を得ていると思われます。
あの作品はどちらかというとアクション重視で核テロを起こす動機はそんなに強いわけでは無かった気がします。
ただ本作は主人公二人がテロを起こす動機が明確であり、その真実を知っていく度に二人を応援したくなる欲に駆られます。

ヒロインのリサは主人公二人の計画に偶然巻き込まれるキャラで、二人の邪魔になることもあるので嫌いな人も多いですが、個人的には二人(特にツエルブ)にとって安らぎを与えるキャラとも言える存在で好きでした。


ナインとツエルブの二人と警察の攻防についても見物で、頭の良い二人が警察を上手くすり抜けて計画を実行していく様と、計画の仕方にはかなり意表を付かれます。

また、ナインとツエルブ、警察の柴崎の関係については東野圭吾の「白夜行」を彷彿とさせます。

ナイン、ツエルブと警察の攻防が展開されていく所はほぼ完璧な作品だったと思います。...それまでは。

ただ、5話以降はアメリカから来日するハイヴが登場してから急に警察が活躍しなくなりVSハイヴの攻防になってしまったのは非常に残念です。
ハイヴは一応二人と関係はあるものの、二人と対決する動機があまりにも弱く、それなのに色々な人を巻き込み過ぎてるので、突っ込みどころが多くてかなりヘンテコてした。


最終的な物語の落としどころ、描写は理解できるものの、米軍の介入ははたして必要だったのだろうか?