文鳥

ピンポン THE ANIMATIONの文鳥のレビュー・感想・評価

ピンポン THE ANIMATION(2014年製作のアニメ)
5.0
漫画は大学時代に履修済みで、放映年次が2014年。10年前のアニメなのかと愕然。原作を愛しすぎて今まで見てこなかったが、Netflixのレコメンドに上がってきて、監督湯浅さんだし、と軽い気持ちで見始めた。軽い気持ちで見始めていいものではなかったです。本当に原作の漫画感というかリズムを本当にリスペクトしていて、カット割やコマの展開も漫画に寄せていて本当にプロとしてのレベルの高さと、原作への愛を感じて脳が破裂しそうだった。才能の描き方も、救い方も愛し方も、松本先生の原作から抽出したものをアニメ表現として昇華させ方が上手だし、アニメだからこその臨場感(まあ、漫画もそれに劣ってはいないのですが・・・)を感じることができて本当にそこはアニメいいなあとなった。原作でグッときた場面はアニメになってもやっぱりグッとくるもんです。「愛してるぜ、ペコ」はまず泣いた。9話の月本と星野のヒーローの話も泣くし、最終話のスマイルの話も泣く。「遅いよペコ」「これでもすっ飛ばして来たんよ」号泣しすぎて酸欠になるかと思った。ラスト、やなせひろしの『手のひらを太陽に』が流れ出して神か・・・ともうただただ画面の神々しさを眺めるしかなかった。
ヒーローがちゃんとヒーローで、悪役なんてものはどこにもいなくて、みんなそれぞれちゃんと血が通っているのだということの哲学性や優しさに圧倒される。何にしても苦しんでるうちはまだまだで、楽しんでやってるやつには勝てっこないのよ、と私の中のペコが笑った。自分はいつから楽しむことを忘れていたのかなと思った。視聴者を最高に楽しませて、好きを思い出させるという高次元エンターテイメント。最高でした。観てよかったです。愛してる!
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