のぞみ

坂道のアポロンののぞみのネタバレレビュー・内容・結末

坂道のアポロン(2012年製作のアニメ)
5.0

このレビューはネタバレを含みます


すべてが輝きうつくしく、一瞬の夢のような時間。みているだけで涙がこみ上げる。ああ、全身が感じていた、この作品がすきだと。

ことばにしないとつたわらないこともあるけれど、音楽がつたえてくれるもののほうが薫と千太郎にはたくさんあって、そんなふたりをみているのがしあわせだった。
きっと、りっちゃんもおなじ気持ちだったのだろう。
近くであんなふたりの全身からジャズがすきだと叫んでるような演奏を聴いていたらたまらないだろう。
千太郎と薫の引き合う力、会ってない時間の空白なんてかんじさせない、ふたりのメロディーがおしえてくれる、ことばはいらない音でつながれるって
いつだって、3人は特別なんだ。

青春がたくさん詰まった、せつなくもあり、胸が熱くもなるお話とともに歩んでいたのがジャズで、演奏シーンの滑らかさ、すばらしかった。アニメショーンって、こんなふうに表現できるんだと感動。
2年の文化祭の演奏はわすれられない。
OPもEDもすてきだった。
曲も映像も。

夢中で観られる、せつなさと青春がたくさん詰まったすてきな作品でした。




1
3人の出会い
なにもわからないのに、なにかが起こる予感を感じる
はじまりの1話にふさわしいドキドキにあふれていた

2
「なんでこの子が笑うとこんなにうれしいんだろう」
「この笑顔のためならなんだってできそうな気がする」
「このままきみを連れ去ってしまいたいよ」
一瞬の出来事。
交わる視線が、恋を生んだ
「ひとが恋に落ちるのに理由も時間も必要ないんだ」

3
グループ交際
何角関係?みんながみんなだれかを想ってる
大きなおにぎりは千太郎のため
りっちゃんの想いを自覚した
俺はいちばんだいじな女の子を泣かせてしまった
寂しそうな肩を慰める資格なんてない
りっちゃんが千太郎と百合香が話す姿をみてスカートをぎゅうっと握りしめるのすごくせつない
結局りっちゃんがハンカチを千太郎にわたすことに
こどもっぽいやり方しかできないのよね、薫
荒療治という名のセッションで仲直り
音楽がさっきまでの気まずさをたのしさに変えるすごさを感じる
今度りっちゃんのためだけにピアノを弾いて、気持ちをつたえてみようかな
そんな勇気をくれるのまた音楽の力なのかな
聴かせたい曲がある、そんなふうに愛の告白をメロディに乗せてられるとグッとくる
ちがうよ、これが本番なんだ
きみのことがだいすきなやつがここにいるって、それだけつたえたかったんだ

4
りっちゃんの目があいつを見ている
いつだってあいつのことを気にしてる
いまはそれでもかまわない
こんなふうにひとをすきになれるって、きみが教えてくれたんだ
雪ではしゃぐりっちゃんにめがねを外して近づき、キス
泣かせてしまうことになるなんて考えてなかったのかな、薫
千太郎に嫉妬する、薫が持ってないものを持っているから、あたたかい家族やりっちゃん
だけどちがった、なんでも持っていると思い込んでいただけ
千太郎も薫とおなじように家族に居場所がないようにかんじていた
恥ずかしくて泣いてしまう薫、自分の話をする千太郎、ふたりは似ている
ふたりで演奏する後ろ姿がこどもになる演出いい
千太郎、薫、名前呼びになるのもいい
バチをふたりで一本ずつあげるのすてきだなぁ
「りっちゃんがすきなのはこいつなんだ、俺の恋なんてとても叶わない気がしてきた」
「時に人生はジャズとおなじように予定外の方向へと進んでいってしまうんだ」
百合香と淳一が出会ってしまった

5
百合香をすきな千太郎、淳一が気になる百合香、と淳一、どうなっていくのだろう
糸電話で自分の想いをつたえたあう
千太郎にも聞かれてしまったりっちゃんの話
顔を合わせづらくて、そっけない態度取る薫はやはりこども
居所がわかるときに行っとかないと見失ったら後悔する、説得力しかないよ千太郎
東京、絶対についてくるとおもった
薫の分のお弁当まで作ってあげるりっちゃんのやさしさに涙する薫
一緒にバカになれる相棒は最高
恋愛とちがって、友情は一生もの
お母さんに会って、失恋したことを自覚して笑って笑って弾けていく
歌ってほしいからってレコードあげる薫かわいい

6
お母さんに会って、失恋の傷もすこし癒え、またひとつ大人の階段を上ったように成長している薫に、なぜだか惹かれているりっちゃん
まだ痛む心に、ラクになるよと言い聞かせる
すきなひとにフラレたんだもん、簡単に痛みが癒えるはずないよね
「絵画はキャンパスという空間に、ジャズは演奏という時間にその場その時に生きてる自分を刻み込んでいくかんじがする」
アポロンの話、月桂樹に姿を変えるほど拒絶するって何事
見逃した映画にいつまでも観られるとおもっていたのかなと言う心情は千太郎のことなのかな
りっちゃんのためとはいえ、千太郎の恋を邪魔するのもちがうとおもうよ薫
淳一の話で百合香と盛り上がったけれど、胸に残るのは虚しさ
意味はわからなくても感じ取ることはできる、恋って感覚
レコード貸してくれるいい友達ができてよかったな、っていちいちトゲのあることしか言えない薫の厄介さ
貸してくれたジャズ以外のレコードを聴くのか不安になる薫は千太郎を取られたくないんだよね
離れられるのがこわいから、自分から捨ててしまった
何度も転校して、友人関係がリセットされて、薫はつづけたかったのにみんなは忘れてしまって、期待することがこわくなったのかな
つらいよね薫の気持ちよくわかるけど、僕には必要じゃないは言い過ぎだし、苦しくて胸が張り裂けそう
千太郎をバンドに入れるためだけに、関係を壊す松岡のやり方よくない

7
音だけで千太郎だとわかるのが仲間ってかんじで泣ける
淳一なにがあったのか、殴った千太郎の心が痛む
薫の前でほかのバンドの名前を書くつらさ
色々と心配してるのにうまく言葉にできないもどかしさ
だいじな相棒待たせてるって言ったときにこどもの薫がポストを開けて手紙入ってる絵にしたのすごくよくて感嘆の声が漏れた
取り戻せるかもとピアノを弾く薫に合わせる千太郎
ぐっとくる演奏、仲直りのセッション
生まれ変わったみたいに軽くなった体で坂道を下るふたり青春だなぁ

8
淳一が百合香にキスしてたとは
それであんなに手紙を送っていたのね
どうして淳一はあんなに変わってしまったのか
ひとは落ちていくのだけは簡単、すごい速度で
「俺はあんたの怒った顔によわいんだ」
「お嬢様に見えるわたしを捨てようとおもって」髪を切る百合香
文化祭以来、人気者のふたり
りっちゃんは薫が気になるのね
「あなたが昔のあなたじゃなくなったんなら、わたしも新しいわたしに生まれ変わるわ」
あなたが深く傷ついてることはわかる、わたしじゃあなたの支えにならない?
わたし生意気?
そんな百合香をだきしめる淳一、ふたりは知らぬ間にこんなにも想い合っていたんだね
淳一と関わることで百合香はいままでのお嬢様じゃなくなってしまう
先生から何度も呼び出され、まわりからも前とちがうと噂され
淳一にあこがれ、追いつきたかった千太郎
淳一のようにはなれなくても、千太郎は千太郎のままで魅力的
失恋ドラムの激しさに合わせる薫の見事さ
あんなに号泣するほど百合香のことがすきだったんだね
りっちゃんのために千太郎に気づかせるようなことを言って、編み物のことも千太郎にだろうとアシストするようなこと言って、泣き出しそうな想いを堪える友達想いの薫がすき
ついにりっちゃんの想いに気づいた千太郎
近すぎるとわからないのかな

9
一緒じゃなきゃいかん?
もう、りっちゃんの気持ちは薫なのかな
むずかしいな女心ってと薫はおもうけれど、りっちゃんの変化を察するのはフラレた身としてわからないものよ
くるしい想いさせてたらたまらない、りっちゃんのことが家族のように大事だから千太郎はほんと真面目で誠実
千太郎のことばでりっちゃんは薫への想いを自覚させた
わたしの前からいなくならないでという本心を隠して、前に進もうとする淳一を応援できる百合香
編みかけの毛糸は薫への想いだったのかもだから一度は捨ててしまった
もうなにも言わないでおわりを待つのはやめようとおもって
音の殴り合いセッション
音楽で仲直りするの、奏でられるものたちなりのやり方
わたしはわたしのせかいにもどるわ
それは百合香のほんとうの幸せなのだろうか
淳一と出会う前と出会った後のせかいは決定的にちがう
電車に乗せてしまう淳一、発車したのはふたりの未来

10
りっちゃんが編んでくれた手袋なら一年中だってつけていたいよ
りっちゃんのこころにまだあいつがいるんじゃないかって、引っからかるのも仕方ない
薫るからもらった自信も、自信を失っていく薫をみてたらりっちゃんまで失っていく
熱出したときはあんなに大胆だったのに、平熱の俺なにやってるんだっておもしろいね薫
お前とセッションしてるときがいちばんたのしい

11
「こわがってたらなにもいいことない」って教えてくれたのは千太郎
りっちゃんの肩にもたれる薫がかわいい
父親からもらった万年筆、千太郎逃げなくてよかったね
華のなさを嘆く薫おもしろい
マイフェイバリットシングス
3人で文化祭のために練習してる風景がとてもいい
「俺のお気に入りは今このとき」薫の言ってることよくわかる
屋上にいったときにかかる音楽がアニメっぽくなくて心に響く
薫の泣いていいんだがやさしすぎて、こちらまで泣いてしまう

12
千太郎がいなくなってから薫はむかしにもどったようだ
りっちゃんとのキスするときまでの間ドキドキしてしまう
そして、いつもの薫のわるいくせがりっちゃんを自分をも傷つける
百合香と淳一、うまくいっててよかった
この鼓動が止まらない、この心臓のリズムがどうやっても止められない
教会でのセッションたまらないね
会ってない時間の空白なんてかんじさせない、ふたりのメロディーがおしえてくれる、ことばはいらない音でつながれるって
いつだって、3人は特別なんだ
のぞみ

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