あべ

モブサイコ100のあべのレビュー・感想・評価

モブサイコ100(2016年製作のアニメ)
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結局霊幻が最後全部持っていっちゃったな。

ONE先生はやっぱり何か斬新な要素を必ず入れてくる。バカリズムと同系統の匂いを感じるなあ。

ありきたりな「世界征服を目論む悪の組織」をただの薄っぺらな設定で終わらせず「大人になりきれなかった子供」と言い切る霊幻。
話とか設定自体はよくあるものなんだけど、そこに一つ客観的な視点というか、冷静な視座を持ち込むからぐっと奥行きが出せるのすごい。

超能力バトルものなのに「戦わなくていい」と言ったり、「大人がなんとかする」と敵に立ち向かったり(見てるこっちは早く本気が見たい!って思ってるのに)。
こういう世界観を漫然と「こういうものだから」と割り切ってこっちは見てるんだけど、あくまでリアリティのある社会の一環として位置付けてるのはONE先生特有の切り口だなあと。
そしてそれを笑いのタッチでやってのけるセンスはさすがすぎる。

ヒーローという戦う人々を描いてるワンパンマンとは全く対極のテーマをこの解像度で描ける振り幅もすごい。

こういう話は大好きなんだろうけど、一方でアンチテーゼ的な視点も同時に持ち合わせてるからこういう作品になるんだろうなあ。


あと手描きの映像がいい。
線太いのとか、アングル自由自在なとことかもそうだし、やっぱりこれこそアニメーションって感じがするなあ。
個人的にはバトルシーンよりも日常パートの方が好きかも。
最近とにかくギュンギュン動かして撮影で華やかにすればかっこいいみたいな風潮感じて、なんかそういうのもう飽きた。
綺麗なアニメーションより、のびのびしてるアニメーションの方が断然好き。


大塚明夫さん、こういう小物&コメディっぽい役もめちゃくちゃうまい。
あと種崎敦美さんが超遊んでた。
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