もこもも

映像研には手を出すな!のもこもものレビュー・感想・評価

映像研には手を出すな!(2020年製作のアニメ)
4.2
個性豊かな3人の女子高生の熱意溢れるアニメ制作を描いた作品

湯浅政明が監督を手掛けた作品
アニメ好きの心が最高に燻られた
3人の仲間としての絆、
アニメ制作者への敬意、
しっかりと纏まったストーリー、
みんなで一つのものを作り上げる熱意、
作品としての完成度の高さが凄い
ストーリー、キャラクター、
キャスト、演出、絵、世界観と
一つ一つの要素がどれも素晴らしかった

「アニメはすべて作者が意識して作ったもの」

自由自在な創造の世界に心奪われる
原作の漫画やドラマは観ていないので
分からないけどアニメは素晴らしかった
この作品はアニメを題材にしているから
作品中で描かれる自由で壮大な創造の世界、
アニメへのこだわりや技術、
それをアニメーションで説明を受けることで
とっても良く伝わって理解できるし、
実感させられることでアニメの様々な
要素に意識を向けさせられた

物作りの過程を丁寧に描いていることで
アニメを制作にどれだけの人と役割と技術が
必要なのか、どれだけ大変なのかを実感した
本当にアニメは総合芸術

・浅草みどり

「私の考えた最強の世界 それを描くために
 私は絵を描いているので設定が命なんです」

繊細で気弱やけどアニメへの情熱やったり
未知の世界への冒険に心躍っている姿が好き
好きだからこそのこだわりとか喋り方も好き
ツバメの親に「友達?」って聞かれた時の
即答の「いや、仲間です」がかっこいい

・金森さやか

「誰も知らねえ店に、客が来るわきゃないんだ」

目的を見据えて現実を見る
予算とスケジュールの中で可能性を模索して、
みんなの為に自分も沢山の努力をして、
言わないといけないことはしっかり言って
相手を否定するのではなく、受け入れてもらう
なんて頼もしくて、優秀なんやって
金森氏がいることの安心感が半端じゃない
浅草とツバメがいなかったらアニメは作れないけど
金森氏がおらんかったら多分一度も
作品として完成していないんじゃないんかな

・水崎つばめ

「大半の人が細部を見なくても、
 私は私を救わなきゃいけない
 動きの一つひとつに感動する人に、
 私はここにいるって言わなくちゃいけないんだ」

アニメではなく"アニメーション"
動きをアニメで表現するというアニメーターの夢に
一直線でそこがブレないところがカッコいい
特にこのシーンはそのかっこよさに震えた

「イマジネーションは現場にあるのだよ
 自分が体験して得たものはオリジナルだ」

12話の中で制作された3つの作品
どれも簡単には行かず妥協や諦めがあったけど
その制作の過程を知っているからか
1作目から心奪われたし、全部凄かった
ただの創造の世界がみんなの努力によって
形になるって本当に素敵なことやなぁ

この作品そのものの世界観もかなり魅力的
ファンタジーって程でもないけど、現実でもない
学校の構造にしても街の描写も
絶妙にロマンを燻られる感じがいい
中毒性が強いOPもかっこいいEDも好き

「まだまだ改善の余地ばかりだ」

OP : Chelmico『Easy Breezy』
ED : 神様、僕は気づいてしまった『名前のない青』
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