八咫烏

ハイキュー!! TO THE TOPの八咫烏のレビュー・感想・評価

ハイキュー!! TO THE TOP(2020年製作のアニメ)
4.4
絵柄を見てFree!みたいなノリだったら挫折してしまう。。と思ったら違った。
系統としては「おおきく振りかぶって」寄りでかなり理論的。意外にも荒唐無稽ではない骨太なスポ根アニメ。楽しかった。

原作者が経験者だそうで、経験に裏打ちされたエピソードの数々は見応え充分。競技の面白さが伝わってくる。
試合の展開にエピソードの盛り込み方がエグい。ローテありきなのだよ。。頭が良すぎる。

まず純粋に試合そのものが面白い。アツい展開はもちろん、経験者としてニヤリとしてしまうシーンもある。
ノータッチで決まるスパイクが少なく、サーブミスが多いのもリアル。ピンサでミスってるの見るともうね。。
リベロといえど鉄壁ではない。
ブロッカーの描き方も好きだ。
当然バレーのルールを知らずとも楽しめるようになっている。

ストーリーもよく出来ている。
中学にバレー部がなく、まともにバレーボールに打ち込めなかった主人公が、元強豪高校に入り春高を勝ち上がっていく。
正直自分はスポ根アニメの展開自体にリアルは求めないのだが、この作品はその辺もきちんとリアルさがある。
天才セッターが同時に入学した事、数年前は強豪校だった事で、チームが強くなっていく展開に根拠があり無理がない。

上手に作られたキャラクターは魅力があり、原作未読だがアニメとして脚本と構成の巧みさを感じる。

IGの作画はシーズン3まではとても良い。制作陣にも経験者が居るんじゃなかろうかと思ってしまうほど身体の扱い方が上手。
試合の臨場感は格別。
構成とアングル、重量感。個人的にIG制作のスポーツモノの中でトップクラスだと思う。

ただし今シーズンの、特に烏野vs稲荷崎戦はかなり崩れてしまっている。
作画だけでなく構成とアングルもメリハリに欠け、劇伴との相乗効果も薄まっている。
いいシーンになりそうな所がもったいない見せ方になっているのだ。
シーズン3までが良すぎたし、世界情勢があり、予算と採算というものがある以上、理解は出来るが、当然ながらとても良い試合だったのでやはり残念ではある。
なので劇場版に予算を回したのだと思うことにした。

原作の連載が長くなればキャラの造形も変化する。シーズン4はキャラデザを原作に寄せてきたっぽい。線の足りなさと、あっさり感が気にはなるが、初期の頃より少年誌っぽさが増して自分は好み。

スラダン並みに名言が飛び出すし、名シーンがいっぱい。興奮もいっぱい。
劇場版を期待して待ちたいと思う(ちなみにop ed はvs白鳥沢編が1番好き)
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