イグアン52

ハイキュー!! TO THE TOPのイグアン52のレビュー・感想・評価

ハイキュー!! TO THE TOP(2020年製作のアニメ)
4.6
思い出なんかなくても、何時だって今が1番。
今が、今が、今だけが欲しい。
どんな過去と比べても圧倒的に瑞々しい確かな今だから出来る。今の俺だからいける。
立て続けに押し寄せる強烈な今への飢え、渇きに見てるこっちまで腹が減ってくる。

稲荷崎の宮兄弟は他の学校のどのライバルより
日向影山コンビニ近い存在だったからこその面白みしかない最高エピソードでした。
毎回取り上げる人物や視点が変わる中で今回特にスポットライトが当たったのが、田中。
ほんとに、凄かった。
自分に絶望しそうな時、それでも立ち上がる事。強い人は誰でも超えてきてて、それは自分でも出来る時はある。けど目の前のこの山だけは足がすくんで心が折れてしまいそうだって時に、それでも前しか、上を向くしかないんだって思い直すこと。
それはもうそうするしかないんだという諦めか絶望といった否定的な意味も孕んでるみたいで、ほぼほぼ自分に対しての恐喝だと思う。
怖くて逃げたい自分への脅し文句。
だって今ここで逃げたら死ぬほど後悔するって分かってるから。
お願いね、とかやっといてね、が信頼なら大丈夫?は心配で。信頼って、堅くて尖ってて突き放すようにも思えるけれど、それだから成り立つ関係もあって。頼られてるって重圧は重たいけど、ひりついた空気の中でしか分からない事だってあって。信頼は、怖いを飛び越えた先で味方になってくれる。一度味方になったらこんなに心強いものはないから。
だから大事な時に応えられるように頑張ろうって思えました。
イグアン52

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