たも

ちはやふる2のたものネタバレレビュー・内容・結末

ちはやふる2(2013年製作のアニメ)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

 2期は通して机くん無双が見れてめちゃくちゃ好きになった。試合に出ていても出ていなくても具体策を投じて貢献的で後輩やチームメイトからも慕われてチームの危機を救う活躍まで見せる。
 時点で好きなのはクイーン。面白い作品は軒並み主人公と同等かそれ以上にライバルに魅力があるけど、この作品も例外ではない。何が好きか言語化するのが難しいし、京都の人が周りにいないからあの嫌味を言う文化がどんな性質なのか把握できてないけど、個人的には自分の領域を守るために自分の価値観をブレさせないように他人を寄せ付けないようにしてるように見えた。自分の表情を相手に察しさせないようにしてるのも同じ理由か。
 聞いたところによると京都の方は息をするように嫌味を吐くらしいけど実際のところは知らないし本音はわからない。試合のスタイルとか完全無欠って感じでかっこいいし、ちはやとの対戦後にトラウマと向き合う姿とかも健気で可愛いと感じた。見た目とかセンスとかはなにかむず痒くなるんだけどとにかく不思議な魅力がある、

 他のキャラクターも概ね良いキャラばかり。個人的に好みなところが作者の末次由紀さんがどのキャラクターに自己投影させてるのか分からないくらい本当に1人1人のキャラクターの人間性が現れてて素敵な作品だと思う。基本的には主人公に作者の本能みたいなのを感じることが多いけど、どのキャラが作者の根幹なのかわからなくて、wikiで調べるとこの作品を連載中に4児の母になったとあった。ちはやのお母さんの倫理観も親の鏡のような人だったしそれ自体も納得が行く感じがある。
 もしかしたらキモいかもだけど、主人公に姉がいることからも女の子の家系に生まれてお子さんも女の子が多いんじゃないかと予想する。男兄弟だったら男の子の喧嘩っ早さみたいなのがもっと出てくると感じたっていうだけの直感だから当てにならないし、だからなんなのって感じだけどw
 結果的に作者の方はネタキャラ以外の主要キャラに自分の根幹を移植するタイプの人だと感じた。だからこんなに平穏的な調和が取れてるのかも。

 ストーリーに関しても1期から引き続いて何度も良い意味で期待を裏切られて素晴らしい。具体的に挙げれば準決勝でメガネの天然毒舌の大将の子にちはやと1v1で勝つのがお決まりだよなあとか思ってたらいつのまにか負けてそっから机くんの運命戦で敵陣を抜くっていうカッコよさ。たまらねえ。
 あと情報の畳み掛けと押し引きみたいなものと競技かるたのゲーム性、句とその情景、人間関係の美しさのコントラストみたいなものの表現が上手くて見入ることが多々ある。具体的に言えばかなちゃんの「風そよぐですね、ちはやちゃん」みたいなとこ。夏の終わりの歌。この大会が終わったら私たちの夏も――。言葉だけでも美しいのにあの雨上がりの夕焼け。2期のハイライトに加わる名シーンだと思った。あとはたいちが呪文みたいに空札を唱えるとことかめちゃくちゃかっこいいし美しい。

あの花とかクラナドみたいにギャン泣きさせられる作品と違って頻繁に泣けるシーンが来るから目が腫れるとしんどい。これはただの経年劣化かもしれないけどw一気に見れるかわからんけど3期も楽しみ。
たも

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