うにたべたい

ウルトラマンレオのうにたべたいのレビュー・感想・評価

ウルトラマンレオ(1974年製作のドラマ)
4.2
獅子の瞳が燃えて、嵐たちまち起こり、戦う!
ウルトラマンタロウに続く、昭和2期ウルトラシリーズ4作目、その名はウルトラマンレオ!

前作のタロウは明るい雰囲気でしたが、本作は周囲の人間との軋轢や己の未熟さと戦い成長してゆく人間ドラマが中心となっています。
ただ、視聴率は振るわなかったようで、放映中に何度もテコ入れが行われます。
個人的には、視聴していてテコ入れに翻弄されたような感じがあり、序盤と終盤ではもはや別の番組なのではないかと思ってしまうレベルです。
最終話が名作回だったこともあって、振り返ると悪い作品ではないのですが、視聴時には唐突で無理のある展開とあまり印象に残らない怪獣造形にうんざりした部分もありました。

主人公はおゝとりゲンという青年です。
彼は、獅子座L77星出身の、ウルトラ兄弟とはまた違う星から地球に来た宇宙人なんです。
故郷の星をサーベル暴君・マグマ星人に滅ぼされ地球に流れ着きましたが、同じく地球にやってきた宇宙人であるモロボシ・ダンことウルトラマンセブンの推薦を受けて宇宙パトロール隊・MACに入隊、以降は、MACの隊長であるモロボシ・ダン指導の元、地球を救うために戦います。
その指導内容がガチモノで、勝手に変身してはシバかれ、必殺技を身につけるため山奥で謎の修行を繰り返します。
引くほど厳しい指導シーンは当時の子供受けも良くなかったようで、生き別れのレオの弟・アストラが登場したり、伝説の戦士・ウルトラキングが登場するなど緩急がつけられます。

その後、怪奇モノや明るい展開も入るようになるのですが、その極めつけは第40話、シルバーブルーメ回ですね。
それまで師匠だったはずのモロボシ・ダンも含めてMACアジア本部は全滅、ヒロインも含めてポッと出の怪獣が全部殺すという、とんでもない急展開を見せます。
結果として円盤生物との戦いという縦軸ができ、40話から最終話までは名作回でしたが、「何もそこまで」とは思ってしまいましたね。

レオを代表する星人といえば、やはりレオの故郷を滅ぼしたマグマ星人です。
ですが、マグマ星人はレオに倒されず敗走し、そのうち決着がつくと思ったらそのまま登場しなくなります。
レオは基本的にシナリオが荒く、せっかち登場した生き別れの弟・アストラも登場回は少なくて、普段何をしているのかは明かされないままだったりします。
ケンドロスやサタンビートル、アクマニヤ星人など、デザインが秀逸な怪獣もいますが、ストーリーはいまいちなんですよね。
そんな中で、アストラがウルトラ兄弟に迎えられたババルウ星人回なんかは、ウルトラキングの万能さも感じられて名作です。
あと、シルバーブルーメ強襲後の円盤生物シリーズは、デモスやブリザード、ノーバなど個性豊かで、だいたいどれも面白かったです。
ダンの生死など最後までうやむやになっちゃったところもありましたが、ラストのブラックエンドも名作で、なんだかんだで良かったと思います。