@ シネ・ヌーヴォ 74
『まぼろしの特攻隊』
もろ土ワイ!という劇伴が邪魔だったけど特攻隊をこういう風に取り上げた作品がテレビで放映されたのってすごい。
すごいと言えばやっぱり渥美清、寅さんっぽさはほぼなく(階段転けと墓の前で水虫掻くくらい?)ちゃんとカタギだった。
そしてなにより西村晃がすごすぎた。黄門様より前なので不気味さ全開、そしてじっさいに特攻隊で生き残った者としての凄みがすさまじかった。
エロ映画と蔑まれることへの反抗は森崎自身、戦争で死ななかった(死ねなかった)者の苦しみは森崎のお兄さんがダブる。いちばん印象的だった台詞は「引き返してきた特攻隊は次の日またすぐに出撃させられる、何故なら二階級特進が決まっているから(大意)」。その時代に(生き死にを含め)飲み込まれるのはある程度仕方ないと思っていたけれど、仕方ないからといって運命を人為的に決められるのはやはり許されることではないと思い直した。