なべ

悪霊狩猟団 カウンターズのなべのレビュー・感想・評価

悪霊狩猟団 カウンターズ(2020年製作のドラマ)
4.0
 良くも悪くもシンプルでわかりやすい。いわゆる少年ジャンプ的なストーリー。ベタだけど、設定のおもしろさで見せるドラマ。
 腐敗した政治家と警察が牛耳る町に巣食う悪霊たち。それを狩る悪霊狩猟団カウンターズ。食堂のおばちゃん(ヒーラー)、元刑事のおっさん(格闘)、美人な姐ちゃん(過去視と感応)と高校生の少年(戦士)が赤いジャージを着て超人的なアクションをキメる。ね、少年ジャンプでしょ。あ、彼らをバックアップする流通企業のジジイ(財力)もカウンターズの一員だ。全員、歳もタイプも違うけどチームワーク抜群なのがいい。ケンカ別れや勘違いによるすれ違いといったよくある問題は起こらない。チームの不和は死を意味するからだ。それぞれが互いに支え合い、理解しようと努め、寛容であろうとするのが今風。
 全体のトーンはコメディタッチなんだけど、悪霊の所業がエグい(チョンシンもヒャンヒもゾッとする表情を見せてくれるよ)のと、政治家と警察の癒着が酷い(韓国ドラマのお約束)ので、そのトーンの振り幅の大きさがクセになる。
 韓国ドラマはたいていiPhone片手にながら見するんだけど、これはトイレに行くときも一時停止してちゃんと観た。それくらい勢いがあっておもしろかったんだよ。高校生のソ・ムンの成長譚がこれまたベタでいいんだわ。
 足が不自由で非力だったソ・ムンが、超能力を身につけて、学校の不良どもをなぎ倒していく小気味よさよ。そんな高校生レベルの悪と大統領選に関わる巨悪が地続きなのも上手い。大した話ではないのにウェルメイド。
 なーんにも考えずに、ただおもしろがりたいってときにうってつけ。
 シーズン2も決まったみたいだし、これは待ち遠しい。
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