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オビ=ワン・ケノービのHicKのレビュー・感想・評価

オビ=ワン・ケノービ(2021年製作のドラマ)
3.4
《物足りない、もったいない》

【じらす、じらす】
とても焦らしが多い脚本と演出。期待に反し消化不良を感じる進み方。オビワンの覚醒やライトセーバーの起動など、他にもほぼ全てにおいて"もったいぶっる"演出が多いが、いざ披露した時にはカタルシスも無くぬる〜っとスンナリと消化していく。

その"焦らし"や"もったいぶり"に時間を割いているせいか内容も薄く、ストーリーの進みも遅く感じてしまった。これ、もっとゴリゴリのヒューマンドラマに寄せたら、このペースでも楽しめたかもしれない。

【その他】
その他の演出も正直あまり好きではないものが多く、サード・シスター(だっけ?)は女優さんは良かったものの、終盤は恨みつらみの矢印が暴走していてちょっと訳が分からなかった。暗闇でのラストの決闘も、映えるライトセーバーのナイトクラブ感よりも、オビワンの顔と鮮明なセーバーファイトが見たい。どんなにCGが進化してもEP3の決闘の方が優秀。

【今作最大の文句】
オビワン、アナキン、レイア、ルーク。このメインキャラを揃えたらもうこれはスピンオフでは無く、立派なエピソード3.5。にも関わらず、ジョン・ウィリアムズのオリジナル楽曲が使われないのは納得がいかない。帝国がちゃんと帝国として描かれているのに「帝国のテーマ」すらかからない。もし、オリジナル楽曲を多用してくれていたなら、今作は「面白かったー」と洗脳されていたかもしれない。

【良かった点】
1話目で言うとDisney+で1番見入った。プリクエル世代としてオビワンに思い入れがあるから。CGじゃないクローントルーパーには興奮。

【レイア】
彼女の性格設定に説得力があった。キャリー・フィッシャーが演じたレイアの若かりし頃から最期までを考えても同一人物だと思えた。子役もかわいい。

【ユアン・マクレガー】
フードを被り、ヒゲを触る。その時点で感涙もの 笑。演技も"おじさんワンスアゲンもの"として十二分にエモい演技だった。どのオビワンを見ても哀愁が漂う。特に最後の決戦時の演技は見応えがあった。さすがです。

【総括】
もったいない。が1番の感想。結局、5話の回想シーンが1番面白く、効果的に機能していたように思う。その他、ほぼ全ての演出が自分にとっては残念だった。それでもユアンの演技には引き込まれ、時々涙しそうになった。

以下ネタバレ↓


















オビワン「すまない、俺がかつてのアナキンを殺してしまった」
ベイダー「お前が殺したんじゃない。俺がアナキンを殺したんだ」
って、ベイダーはオビワンを許すために言ったセリフでは無いのに、許されたかのようにオビワンの心のつっかえがとれてフィナーレを飾るのがちょっと気持ち悪い。というか、EP3で中途半端にしてしまった決着をつけるために望んだ戦いであったはずが、結局EP3と全く同じラスト。んー、もうひとこえ欲しかった。
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