Masato

キャシアン・アンドーのMasatoのレビュー・感想・評価

キャシアン・アンドー(2022年製作のドラマ)
3.8

ローグワンの主人公の一人、キャシアン・アンドーの前日譚を描くスターウォーズのスピンオフドラマ

想像以上に重厚でスローペースなドラマ。スペースオペラという要素が微塵にも感じられないくらいにシリアスでダークで地に足ついている。

じっくりと描いた上で盛り上がるエピソードを各所に挿入していくというスタイルで、3~4話で1幕みたいな感じ。3,6,10,12話あたりは見事なエピソードで面白いが、それまでの準備段階であるエピソードたちがやけに長ったらしく、地味であまり面白くない。

アンドー自身の話なら全然面白いものの、帝国軍や反乱の首謀者たちを描く大局的な話が自分はさほど興味がなくて退屈(そこまでマニアじゃない)。そのうえ固有名詞多すぎてさらにキツい。それがアンドー自身につながらないというわけではないから必要性があるが、もっとコンパクトに纏めてほしい。そして10話くらいにしてほしい。

さすがに9話以降はクライマックスにつれて面白くなってくる。11話のルーセンの対帝国のカッコよさ、最終回の貯めて貯めて一気に反乱の芽が開花するシーンは大興奮。

エピソードごとにムラがありすぎるので評価が難しい。ザ・ボーイズのエリッククリプキが言っていたように、「映画の文脈を汲んだシーズン全体の流れを優先的に考えたドラマづくりではなく、まず1話1話を面白くしていくことを重要にすべき」という言葉がよくわかるわかる。

演出や映像はスターウォーズにしては冷ややか。仰々しい演出もしないし、終始リアリズム。色彩も淡く、不自然な色付けをしていない感じが文芸映画っぽい。

ビックス役のアドリアアルホナ、顔が整いすぎて恐ろしいレベル。別次元の美人。アンディサーキスが名演技。こんな存在では勿体ないレベルに光ってる。アンドー以上に存在感がある。最高。

ドMヘタレ男とドS帝国軍女のSM恋愛も面白い。
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