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リコカツのmaroのレビュー・感想・評価

リコカツ(2021年製作のドラマ)
3.5
2021年春ドラマで面白かった順位:5/7
 ストーリー:★★★☆☆
キャラクター:★★★☆☆
    映像:★★★☆☆
    音楽:★★★☆☆

咲(北川景子)と紘一(永山瑛太)は本当に茶番で、むしろその両親たちの話の方がいいなと思えるドラマだった。

いやだって、メイン2人はさ、本当にオールオアナッシングの考えで、口を開けばすぐ「離婚!」でしょ。
なのに、全然別れないから。。。

結局、別れることが決まってからお互いのよさに気づくって、ある意味想定内すぎる展開(笑)
昔読んだ経済誌に、「人はモノを失うとき、手に入れたときの7倍の価値を感じる」と書いてあったけど、そういう心理もあるのかな。
自分が離婚したことないからわからんけど。

そもそもは極限状態で知り合った2人が恋に落ちて、交際ゼロ日で結婚。
人間性のすり合わせができていないんだから、そりゃ後から不満もいっぱい出てくる。

でも、話し合いを重ねて解決できる問題もあると思っていて、そういうお互いの歩み寄りがないまま、いきなり離婚だからね。互いに譲らないわがままっぷり。
でも、時折見せるお互いの優しさにキュンって。
メンヘラかって。
まあ、最終回になってようやく歩み寄りを学んだっぽいけど(笑)

咲が元カレと別れた当てつけ婚っていうのは、もっと前面に出してもよかった気がするなー。
あと、咲も紘一もそれぞれ言い寄ってくる人がいたから、ワンチャンあって「しまった、寝てしまった!!」っていう展開の方がラブコメとして笑えたかも。

あと、小説家の水無月先生(白洲迅)。
「あんたたち夫婦の本物の愛を信じていたのに離婚とかしてんじゃねーよ」とかいきなりキレるからね。
おいおいどーしたって。
もっと女関係が派手で、咲のことを口説きに口説きまくるぐらいのキャラだったら、そのキレ方にも納得感あったけども。

てか、咲と紘一よりも、それぞれの両親の離婚の方が人間ドラマとしてよかったと思うんだよ。
特に、紘一の母親の薫(宮崎美子)が離婚するという結論に至った背景の方がわかりみが深い。
彼女は、自分のアイデンティティを持つための離婚だったんだよね。
ずっと「父の妻」であり、「子供の母」っていう記号でしかなかった人生から脱したかった。
父親の正(酒向芳)が古い考えの人だったから、余計にそう感じたのかもしれない。

咲の母親の美土里(三石琴乃)が武史(佐野史郎/平田満)に離婚をつきつけた真相もよかった。
武史の若い女の子との浮気もわかりやすいんだけど、それはあまり問題ではなくて。
本当は美土里が病気で、いつ死ぬかもわからない状態。
だから、家族に迷惑をかけず、自分は綺麗なままそっと死にたかったと。

いずれも奥さんの方から別れを告げ、最終的に夫が自分の気持ちを伝えるって形で収まってたね。
男の方がだいぶ立場弱いなと男目線で思ったりもしたけど、元をたどれば「夫に愛想を尽かした妻」って構図からのスタートだったから、そりゃそうか。

この両親ぐらいかなー、夫婦という関係性にこだわらなかったの。
いろんな夫婦の形を肯定する感じがしてよかった。
だから、咲と紘一よりも、
両親たちのエピソードにグッとくることが多かった。
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