いよら

スキャンダル:非常に衝撃的で不道徳な事件のいよらのレビュー・感想・評価

3.7
マイナーな作品なのであまり知られてないみたいですね。レビューもほとんどないですし。
内容的には結構重いです。タイトルもそうですしね。でも色々考えさせられるし、個人的には結構好きな話です。

ビルの倒壊事故から始まる本作。その事故で子供を喪った父親が、そのビルが手抜き工事であったことを知り、ビルの建設会社の社長の息子を誘拐するというところから始まります。
そして、そのまま元の家に戻ることなくその子は大人になって…。父親だと思っていた人は誘拐犯でした、と。

1話目から衝撃的でした。ゴニョン(倒壊事故に巻き込まれる子ども)のシーンが切なすぎて…そこで感情移入しまくり。大人になってからも先の展開が全く読めなくて引き込まれました。

生みの親と育ての親、ウンジュン(=演キムジェウォン)にとってはどっちも大切な存在だったんだと思います。ただ、罪をなかったことにすることが愛情だとは思ってなくて、罪を償って本当の意味で父子になりたかったんだと思います。
ミョングン(=演チョジェヒョン)も父親としていいですね。はじめの方は復讐相手の息子を誘拐して、復讐心と憎悪と一方でのその子どもに対する複雑な想いを抱えた人物。でもウンジュンを大切にして想っているのも伝わってきて、血のつながりだけじゃないんだなと実感します。やはり、チョジェヒョンの演技はさすがですね。はじめの狂気に満ちた感じから、息子への愛情、複雑な立場としての苦悩がとても感じられました。もうこの人の存在がこの話の要。
あとね、ウンジュンの身代わりとして育てられた第二のウンジュン(個人的にはジェインという役名の方が好きですけど。=演キテヨン)の自分の存在意義での葛藤も見所。家族の愛情を欲しているのが切ないです。
対するテハグループの会長(ウンジュンの実父)などはちょっと小物感で残念ですけどね。


ジャンル的には復讐ものっぽいですが、ウンジュンのやってることは復讐ではなかったので、ヒューマンドラマ、社会派ドラマといった印象です。血のつながりとは何か…親子とは何か…というね。
いよら

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