このレビューはネタバレを含みます
試写会にて。
コロナ禍に見舞われた人々の様変わりしてしまった日常を描いたオムニバスドラマ。
何かを失ったり、迷ったり、新しく始めなければいけなくなったり…。
けれど、それはコロナが齎した訳ではなく、コロナによって顕在化した其々の本質なのかも知れない。
他者との接触を避けるようになり
良くも悪くも自分自身や目を背けていた部分と向き合う時間を得た私たちの次なる生活様式とも言える心の置きどころを示すように淡い希望に包まれる。
全8話中の1〜4話、8話の計5話分を鑑賞。
多摩川沿いを舞台に環境も年代も違う市井のドラマに共感する部分が多かったし、昔、住んでいた地域で、懐かしい気持ちにもなった。
どのエピソードも大きな出来事があるわけでもなく、素朴な日常の更に小さな変化への慈しみに満ちていた。
そう感じさせる自然な脚本、光の使い方、過度な演出にならない音楽が、役者の演技と相乗効果を生み、見事に中川ワールドを形成していた。